著作権重要判例要旨[トップに戻る]







譲渡権侵害を肯定した事例
「都議会議員肖像写真無断利用事件」平成230209日東京地方裁判所(平成21()25767等) 

 本件ビラ2に掲載されている被告写真2は,本件画像データを利用して作成されたものであり,かつ,これと本件写真とを対比すると,縦横の比率が若干横伸びしたように変更されているが,本件写真の表現上の本質的な特徴の同一性が維持されており,その表現上の本質的特徴を直接感得するのに十分な大きさ,状態で,ほぼ全体的にその表現が再現されていると認められ,他方,上記変更には,創作性があるとは認められない。したがって,被告写真2は,本件写真の複製物である。
 被告は,自身が本件ビラ2の作成,頒布に関与した事実を否認するので,この点について検討する。
 …によれば,@本件ビラ2は,被告が代表を務める政治団体が平成21617日に西武新宿線野方駅前付近等で街宣活動を行った際に,被告の協力者らによって通行人に頒布されたものであること,A被告は,当該街宣活動の前日,自ら本件ビラ2の元となる電子データを作成し,そのコピーをメールに添付して複数の協力者に対し送信したこと,B被告は,前記街宣活動の当日,自ら現場に赴いて街宣活動に参加し,その際,協力者らによって本件ビラ2が通行人に頒布されているのを認識していたが,これを容認していたこと(被告は,本人尋問の際,本件ビラ2について,「こういうものを作ろうと思うんだけどということで,賛同者の何人かにパソコンの添付ファイルでお送りしたもんで,それを受け取った人が,気をきかせて(中略)作ってきてくださった」,「街頭演説をやってる最中に,同じ,カラーのビラが私の車の中に入っていたんで,だれか,それをプリントして持ってきてくれた人がいたんだなというふうに感じた」などと,本件ビラ2の頒布について,一貫してこれを肯定的に認識していた旨を供述し,協力者らが本件ビラ2を通行人に頒布するのを止めようとした形跡はない。これらの事情からすれば,被告が本件ビラ2の作成,頒布を認識し,これを容認していたことは明らかである。)が認められる。
 これらの事実を総合すれば,本件ビラ2を印刷し,これを通行人に頒布したのが,被告ではなくその協力者らであったとしても,被告は,当該協力者らの行為を自らの行為として利用することにより,本件ビラ2を作成,頒布したものと評価するのが相当である。
 
したがって,被告は,本件ビラ2についても,本件写真の複製権及び譲渡権を侵害したものと認められる。











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