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不当訴訟の成否が問題となった事例(2)
「都議会議員肖像写真無断利用事件」平成230209日東京地方裁判所(平成21()25767等) 

【コメント】本件本訴は、原告(職業写真家)が、被告(政治活動を行っている者)に対し、公明党所属のB都議会議員のウェブサイトから本件写真の電子データをダウンロードし、これを無断で利用していると主張して、当該利用行為の差止め、損害賠償金の支払などを求めた事案です。
 
本件反訴は、被告が、原告に対し、原告による刑事告訴及び本訴提起が不法行為に当たるとして、不法行為による損害賠償請求権に基づき、刑事告訴による慰謝料及び本訴提起による逸失利益の内所定の金員等の支払を求めた事案です。


 反訴請求に係る不法行為の成否について
(1) 本訴の提起は違法か
 訴えの提起が相手方に対する違法な行為(いわゆる不当提訴)となるのは,当該訴訟において提訴者の主張した権利又は法律関係が事実的,法律的根拠を欠くものである上,提訴者が,そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知り得たといえるのにあえて訴えを提起したなど,訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるというべきである(最高裁判所昭和63126日第三小法廷判決参照)。
 これを本件についてみるに,本訴において原告の主張した権利又は法律関係が事実的,法律的根拠を欠くものでないことは,前記において検討したとおりである。他方,本訴の提起が被告の言論活動を弾圧することを目的とした威圧行為であると認めるべき的確な証拠は存在しない。
 よって,本訴の提起が違法であるとする被告の主張は理由がない。
(2) 本件告訴は違法か
 一般に,告訴,告発をする者は,犯罪の嫌疑をかけることを相当とする客観的根拠を確認すべき注意義務を負っており,かかる注意を怠って告訴,告発を行えば不法行為になるというべきである。
 これを本件についてみるに,そもそも,本件告訴に係る告訴事実が認められることは,前記において検討したとおりであるから,原告が上記注意義務に違反して本件告訴を行ったと認めることはできない。
 よって,本件告訴が違法であるとする被告の主張は理由がない。
(3) 以上によれば,被告の反訴請求は,その余の点につき判断するまでもなく,いずれも理由がない。











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