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財団法人設立に伴う著作権移転の有無及びその範囲が問題となった事例
「『生命の實相』復刻版事件」平成230304日東京地方裁判所(平成21()6368等) 

【コメント】本件「1事件」は、財団法人である原告社会事業団が、亡Aが戦前に創作した多数の著作物の集合体としての「生命の實相」の著作権は、亡Aが原告社会事業団の設立者として行った寄附行為の寄附財産であって、原告社会事業団に帰属しているところ、上記「生命の實相」に属する書籍をそれぞれ復刻した復刻版である「本件@の各書籍」について、被告日本教文社との間で著作権使用(出版)契約を締結したが、印税(著作権使用料)に未払があるなどと主張して、被告日本教文社に対し、著作権使用(出版)契約に基づき、印税の支払等を求めた事案です。

 本件「第2事件」は、宗教法人である原告生長の家及び亡Aの遺族である原告Xが、亡Aが戦前に創作した著作物である「生命の實相<黒布表紙版>」(全20巻)及び本件@の書籍1について、原告生長の家が、亡Aを相続した共同相続人から著作権(共有持分)の遺贈及び売買による譲渡を受けたから、当該著作権は原告生長の家に帰属するなどと主張し、原告生長の家において、原告社会事業団に対し、原告生長の家が本件@の書籍1の著作権を有することの確認等を求めた事案です。 


1事件について
 [原告社会事業団の設立による本件@の各書籍の著作権の移転の有無]
ア 原告社会事業団は,亡Aが設立者として行った寄附行為(本件設立行為)の寄附財産である「「生命の實相」ノ著作権」の対象著作物である「生命の實相」(本件生命の實相)の範囲は,亡Aが戦前に著作し,「生命の實相」の題号が付された著作物全て(素材である個々の論文等の著作物及びこれらを編集した編集著作物全て)であり,本件@の書籍1は,本件生命の實相に属する「生命の實相<革表紙版>」(全1巻)を復刻した復刻版,本件@の書籍2は,本件生命の實相に属する「久遠の實在」(副題「生命の實相第2巻」)を復刻した復刻版であって,いずれも本件生命の實相に含まれる著作物であるところ,本件生命の實相の著作権は,原告社会事業団の設立により亡Aから原告社会事業団へ移転したから,本件@の各書籍の著作権は,原告社会事業団に帰属する旨主張する。
() そこで検討するに,…によれば,@原告社会事業団は,民法旧34条に基づいて,亡Aが設立者として本件設立行為(寄附行為)を行い,東京都長官の許可を受けて,昭和2118日に設立された財団法人であること,A原告社会事業団の書面としての寄附行為である本件寄附行為(「財団法人生長の家社曾事業団寄附行為」)には,「A著作「生命の實相」ノ著作権」(51号の「ニ.」)が「基本資産」として,「基本資産ヨリ生スル收入」(52号の「ロ.」)が「流動資産」としてそれぞれ掲記されており,また,基本資産は,社会環境の自然的変化による減価滅失等による外,人為的には消費又は消滅せしめることを得ない旨(72項),原告社会事業団の経費は流動資産をもって支弁する旨(9条)の条項があること,B亡Aが作成した昭和2281日付け本件證明書に「A著作「生命の實相」ノ著作権」を昭和2118日原告社会事業団へ寄附行為をしたことを証明する旨の記載があり,本件證明書は,亡Aが東京都知事に提出した昭和22825日付け「寄附財産移転終了届」に添付されていること,C亡A作成の「設立趣意書」中には,「恒久的流動資金として,「生命の實相」の著作権收入を寄附行為す。」との記載があることが認められる。
 上記認定事実を総合すると,亡Aが保有していた亡Aを著作者とする「生命の實相」の著作権は,亡Aが行った本件設立行為の寄附財産であって,昭和2118日に原告社会事業団が設立されたことにより,亡Aから原告社会事業団へ移転し,原告社会事業団の「基本資産」となったことが認められる
 そして,「生命の實相」の著作権の対象である著作物の利用を許諾することにより得られる著作権使用料は,「基本資産ヨリ生スル收入」として「流動資産」に該当すること,原告社会事業団の本件寄附行為には,「基本資産」は人為的には消費又は消滅せしめることができず,原告社会事業団の経費は「流動資産」をもって支弁する旨規定されていることからすれば,亡A作成の「設立趣意書」中の「恒久的流動資金として,「生命の實相」の著作権收入を寄附行為す。」との記載は,「基本資産」である「生命の實相」の著作権から得られる著作権使用料(著作権収入)を「恒久的流動資金」と表現し,亡Aが「生命の實相」の著作権を「基本資産」を組成する寄附財産として出捐することを「著作権収入」という観点から比喩的に説明したものと理解するのが自然である。
 したがって,原告社会事業団は,昭和2118日,亡Aから,亡Aを著作者とする「生命の實相」の著作権の移転を受けたものと認められる
() 次に,原告社会事業団の設立によりその「基本資産」となった「「生命の實相」ノ著作権」の対象著作物である「生命の實相」(本件生命の實相)の範囲について判断する。
 …によれば,@亡Aは,昭和5年に創刊された月刊雑誌「生長の家」に数々の論文等の言語の著作物を発表し,同誌に掲載した個々の著作物の内容を整理し,説明を補うなどした素材を順序立て,系統立てて自ら編纂した編集著作物を「生命の實相」の題号を付して出版社を通じて出版してきたこと,A亡Aが昭和5年に創始した「生長の家」と称する宗教において,「生命の實相」は万里共通の宗教真理を開示する「鍵」と位置づけられ,「生命の實相」の題号を付した書籍は,聖典として,「生長の家」の「文書伝道」による布教活動の最も重要な部分を構成していること,B戦前に「生命の實相」の題号を付した書籍として,「生命の實相<革表紙版>」(全1巻)(初版発行昭和711日),「久遠の實在」(副題「生命の實相第2巻」)(初版発行昭和81225日),「生命の實相<黒布表紙版>」(全20巻)(初版発行昭和10125日から昭和161225日),…の10書籍が出版されたことが認められる。
 上記認定事実によれば,亡Aが本件設立行為を行った昭和2118日当時,亡Aが月刊雑誌「生長の家」に発表した著作物を素材とし,これらを亡A自らが編集した編集著作物である「生命の實相」の題号を付した書籍は,戦前に10書籍(上記B)が出版されており,それぞれの書籍はそれぞれの題号(版名を含む。)により識別できるものと認められる。
 しかるに,本件寄附行為には,「A著作「生命の實相」ノ著作権」(51号の「ニ.」)と規定されているのみで,「生命の實相」の範囲を限定する文言や条項は存在せず,また,亡A作成の本件證明書及び設立趣意書にもこれを限定する記載がないこと(前記()A,B),昭和2118日当時,「生長の家」の聖典としての「生命の實相」が上記10書籍のうちの特定の書籍を指していたことをうかがわせる証拠はないことに照らすならば,本件生命の實相は,上記10書籍の著作物全てであると解するのが相当である。
 そして,本件@の書籍1は,上記10書籍のうちの「生命の實相<革表紙版>」(全1巻)を復刻した復刻版,本件@の書籍2は,同じく「久遠の實在」(副題「生命の實相第2巻」)を復刻した復刻版であって,いずれも本件生命の實相に含まれる著作物の複製物であるといえるから,本件@の各書籍の著作権は,原告社会事業団の設立により,原告社会事業団に帰属したものと認められる。
イ これに対し被告日本教文社は,本件寄附行為5条の「A著作「生命の實相」ノ著作権」にいう「著作権」とは,著作権そのものではなく,著作権収入を取得する権利と解すべきであり,また,ここにいう「生命の實相」(本件生命の實相)とは,戦後新たな編集方針の下に出版され,現実に印税が発生する「生命の實相」と解すべきであるところ,本件@の各書籍は,戦前に編纂発行された書籍の復刻版であって,戦後新たに編纂発行された「生命の實相」とは出版の性質を全く異にするものであり,本件生命の實相に含まれないから,本件@の各書籍の著作権は,原告社会事業団に帰属していない旨主張する。
 しかし,被告日本教文社の主張は,以下のとおり理由がない。
() 被告日本教文社は,@亡Aの真意は,亡A作成の「設立趣意書」中の「恒久的流動資金として,「生命の實相」の著作権收入を寄附行為す。」と記載されているとおり,「生長の家」の聖典である「生命の實相」の著作権を構成する権利のうちの印税収入を取得する権利を原告社会事業団に寄附し,それにより原告社会事業団の財政基盤を確立させるところにあったものであって,亡Aが宗教活動を直接の目的としない原告社会事業団に対し,「生長の家」の聖典である「生命の實相」の著作権を丸ごと寄附するなどということはあり得ないこと,A戦後に新たに編纂して発行された「生命の實相」と題する書籍は,いずれも亡A自身が戦後における新たな方針の下に亡Aの他の著作物と同様に自ら編纂して,その出版を決定し,その指示の下に,被告日本教文社が出版及び印税の支払を行い,その印税を原告社会事業団が受け取ってきたことからすれば,本件寄附行為5条において,原告社会事業団の基本資産として,「A著作「生命の實相」ノ著作権」と記載されているのは,行政上の取扱いとして,寄附行為の対象について「著作権収入」から「著作権」へ表現を変更するよう指導があったことによるものと推測するほかないことを根拠として挙げて,本件寄附行為5条の「A著作「生命の實相」ノ著作権」にいう「著作権」とは,著作権そのものではなく,著作権収入を取得する権利である旨主張する。
 しかし,亡A作成の「設立趣意書」中の上記記載部分は,前記認定のとおり,原告社会事業団の「基本資産」である「生命の實相」の著作権から得られる著作権使用料(著作権収入)を「恒久的流動資金」と表現し,亡Aが「生命の實相」の著作権を「基本資産」を組成する寄附財産として出捐することを「著作権収入」という観点から比喩的に説明したものと理解するのが自然であるから,上記記載部分をもって,本件寄附行為5条の「A著作「生命の實相」ノ著作権」にいう「著作権」とは,著作権そのものではなく,著作権収入を取得する権利であるということはできない
 仮に亡Aが本件生命の實相の著作権そのものではなく,著作権収入を取得する権利のみを寄附財産とする意思であったとすれば,本件寄附行為や本件證明書にそのように記載してしかるべきであるが,本件寄附行為及び本件證明書にはそのような記載はない
 また,亡Aが本件設立行為を行った当時,亡Aに寄附財産の対象について「著作権収入」から「著作権」へ表現を変更するよう行政指導があったことを認めるに足りる証拠はない。
 さらに,@「生長の家」の聖典である「生命の實相」の著作権が亡Aから原告社会事業団へ移転された場合であっても,宗教団体としての「生長の家」は,原告社会事業団の許諾を得て著作物を利用したり,出版された書籍を布教活動に使用したりすることができること,A亡Aは,本件設立行為を行った当時,「生長の家総裁」の地位にあり,しかも,本件寄附行為27条に亡Aが原告社会事業団の理事長に就任することが規定され,現に就任していることに照らすならば,亡Aが,本件設立行為を行った当時,「生命の實相」の著作権を原告社会事業団に移転した場合に「生長の家」の布教活動に支障をきたす事態となるおそれがあることを想定していたものとは認め難く,また,そのような事態にならないようにするために,亡Aにおいて「生命の實相」の著作権収入を取得する権利のみを原告社会事業団に帰属させる意思を有していたことを認めるに足りる証拠はない。
 (略)
 以上によれば,被告日本教文社が,本件寄附行為5条の「A著作「生命の實相」ノ著作権」にいう「著作権」とは,著作権そのものではなく,著作権収入を取得する権利であることの根拠として挙げる諸点は,いずれも採用することができない。
() 被告日本教文社は,@原告社会事業団が設立された当時,戦前に出版された10書籍は,いずれも出版停止状態にあり,在庫も存在していなかったから,本件寄附行為5条の「A著作「生命の實相」ノ著作権」にいう「生命の實相」(本件生命の實相)とは,戦後新たな編集方針の下に出版され,現実に印税が発生する「生命の實相」と解すべきであること,A亡Aの死亡後,亡Aの相続人である亡B,亡C及び原告Xの代表者である亡Cと原告社会事業団は,原告生長の家の理事長立会いの下で,昭和63322日付け本件確認書及び同日付け本件覚書を作成し,本件確認書によって,原告社会事業団に著作権が帰属する「生命の實相」は,「生命の實相(頭注版全四十巻)」及び「生命の實相(愛蔵版全二十巻)」のみであり,本件@の各書籍をはじめとする他の「生命の實相」の著作権は原告社会事業団に帰属しないことが確認されたことを根拠として挙げて,本件寄附行為5条の「A著作「生命の實相」ノ著作権」にいう「生命の實相」(本件生命の實相)には,戦前に編纂発行された書籍の復刻版である本件@の各書籍は含まれない旨主張する。
 しかし,前記認定のとおり,本件寄附行為には,「A著作「生命の實相」ノ著作権」(51号の「ニ.」)と規定されているのみで,「生命の實相」の範囲を限定する文言や条項は存在せず,また,亡A作成の本件證明書及び設立趣意書にもこれを限定する記載がないことに照らすならば,本件生命の實相は,本件設立行為当時,既に出版されていた「生命の實相」の題号を付した10書籍の著作物全てであると解するのが相当である。
 被告日本教文社が主張するように上記10書籍がその当時出版停止状態にあり,在庫も存在していなかったという事情があったとしても,そのような事情は,上記10書籍の著作物の複製物が作成停止状態にあったことや当該複製物の在庫がないことを示すものにすぎず,上記認定を左右するものではない。
 次に,…を総合すれば,@亡Aは,昭和60617日に死亡し,その相続人は,妻である亡B,子である原告X及び養子である亡C3名であったこと,A亡A相続人代表者亡Cと原告社会事業団は,昭和63322日付け本件確認書及び同日付け本件覚書を作成したこと,B本件確認書には,亡B,亡C及び原告Xと原告社会事業団は,原告生長の家代表役員(理事長)H立会いの下で,「一,A先生の著作にかかる末尾記載の著作物に関する著作権は,著作権法第27条に定める翻訳権・翻案権等および同法第28条に定める二次的著作物利用に関する原著作者の権利を含めて全てA先生より財団法人生長の家社会事業団に基本財産と指定して寄附され,現在財団法人生長の家社会事業団に帰属していること。」,「二,著作権法第77条第1号に定める著作権移転の登録について,登録義務者として必要な一切の件につき財団法人生長の家社会事業団理事長I(代理人J)に,委任する。」ことを確認する旨の記載があり,また,本件確認書末尾の「著作物の表示」と題するリストには,37に及ぶ「題号」の著作物が掲記され,その中に「生命の實相(頭注版全四十巻)」及び「生命の實相(愛蔵版全二十巻)」の記載があること,C本件覚書には,本件確認書末尾の「著作物の表示」と題するリストに掲記された各著作物について,亡Aから原告社会事業団への「著作権譲渡の年月日」が記載され,「生命の實相(頭注版全四十巻)」及び「生命の實相(愛蔵版全二十巻)」についてはいずれも「昭和2118日」と記載されていること,D本件確認書及び本件覚書を登録原因証書として,昭和63427日,「著作者」を亡A,「著作物の題号」を「生命の實相」,「著作物が最初に公表された年月日」を「昭和711日」とする著作物について,亡Aから原告社会事業団への著作権の移転登録(本件著作権登録)がされ,本件著作権登録の「登録の原因及びその発生年月日並びに登録すべき権利に関する事項」欄には,「昭和2118日に下記の者の間に著作権(著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む)の譲渡があった。」,「譲渡人A」及び「譲受人財団法人生長の家社会事業団」との記載があること,E本件確認書末尾の「著作物の表示」と題するリストに掲記された他の題号の著作物についても昭和63427日又は同年516日に亡Aから原告社会事業団への著作権(共有持分を含む。)の移転登録がされたことが認められる。
 以上を前提に検討するに,本件確認書によれば,亡A相続人代表者亡Cと原告社会事業団は,本件確認書をもって,本件確認書末尾の「著作物の表示」と題するリストに掲記された「生命の實相(頭注版全四十巻)」及び「生命の實相(愛蔵版全二十巻)」の著作権が亡Aから原告社会事業団に基本財産と指定して寄附され,昭和63322日現在原告社会事業団に帰属している旨確認したことが認められる
 しかし,一方で,「生命の實相<頭注版>」(全40巻)の初版は昭和3755日から昭和42120日まで発行され,「生命の實相<愛蔵版>」(全20巻)の初版は昭和451015日から昭和481215日まで発行されたものであるのに,亡A相続人代表者亡Cと原告社会事業団間の昭和63322日付け本件覚書には,本件確認書末尾の「著作物の表示」と題するリストに掲記された「生命の實相(頭注版全四十巻)」及び「生命の實相(愛蔵版全二十巻)」の著作物の「著作権譲渡の年月日」は,上記各初版が発行される前の「昭和2118日」と記載されている。
 加えて,昭和63427日にされた亡Aから原告社会事業団への本件著作権登録においては,著作権の譲渡があった「著作物の題号」を「生命の實相」,「著作物が最初に公表された年月日」を「昭和711日」とする登録がされ,「著作物の題号」には,「(頭注版全四十巻)」及び「(愛蔵版全二十巻)」との限定がなく,また,「著作物が最初に公表された年月日」の「昭和711日」は,原告社会事業団は未だ設立されておらず,当該最初の公表日は,「生命の實相<革表紙版>」(全1巻)の初版発行日と同一日であること,本件確認書には,本件確認書末尾の「著作物の表示」と題するリストに掲記された「生命の實相(頭注版全四十巻)」及び「生命の實相(愛蔵版全二十巻)」以外の「生命の實相」の題号を付した書籍(著作物)の著作権について,亡Aの相続人に帰属する旨の記載も,原告社会事業団に帰属しない旨の記載もないことを併せ考慮すると,亡A相続人代表者亡Cと原告社会事業団との間において,本件確認書末尾の「著作物の表示」と題するリストに掲記された「生命の實相(頭注版全四十巻)」及び「生命の實相(愛蔵版全二十巻)」は,「生命の實相<頭注版>」(全40巻)(初版発行昭和3755日から昭和42120日)及び「生命の實相<愛蔵版>」(全20巻)(初版発行昭和451015日から昭和481215日)のみを意味するものと理解し,本件確認書によって,本件@の各書籍をはじめとする他の「生命の實相」の著作権は原告社会事業団に帰属しないことを確認したものと認めることはできない
 仮に亡A相続人代表者亡Cと原告社会事業団がそのような限定をする趣旨であったのであれば,本件確認書にその旨明記し,著作権登録においても,著作権の譲渡があった「著作物の題号」及び「著作物が最初に公表された年月日」の登録をそのような限定の趣旨が明確になるような登録手続を行ってしかるべきである
 以上によれば,被告日本教文社が,本件寄附行為5条の「A著作「生命の實相」ノ著作権」にいう「生命の實相」(本件生命の實相)には,戦前に編纂発行された書籍の復刻版である本件@の各書籍は含まれないことの根拠として挙げる諸点は,いずれも採用することができない。
ウ 以上のとおり,原告社会事業団は,原告社会事業団の設立により,亡Aから,本件生命の實相の著作権の移転を受けたものであって,本件@の各書籍は,いずれも本件生命の實相に含まれる著作物を復刻した復刻版であって,当該著作物の複製物であるといえるから,本件@の各書籍の著作権は原告社会事業団に帰属するというべきである。
 (略)
◆第2事件について
 [原告生長の家による本件@の書籍1及び本件Aの書籍1の著作権の取得の有無等]
ア 原告生長の家は,亡Aの死亡に伴う相続により,「生命の實相<革表紙版>」(全1巻)及び「生命の實相<黒布表紙版>」(全20巻)の著作権を取得した亡Aの相続人から遺贈及び売買によりこれらの著作権を取得した旨主張する。
 しかしながら,前記認定のとおり,亡Aが生前に行った本件設立行為の寄附財産である本件生命の實相の著作権は,原告社会事業団の設立により,亡Aから原告社会事業団へ移転したものであり,「生命の實相<革表紙版>」(全1巻)及び「生命の實相<黒布表紙版>」(全20巻)は,本件生命の實相に含まれるものであるから,その著作権は,亡Aから原告社会事業団へ移転したものと認められる。
 したがって,「生命の實相<革表紙版>」(全1巻)及び「生命の實相<黒布表紙版>」(全20巻)の著作権は,亡Aの相続財産に当たらないから,原告生長の家の上記主張は,その前提を欠くものであり,理由がない。
 これに対し原告生長の家は,第1事件の被告日本教文社の主張と同旨の理由により,本件設立行為の寄附財産である本件生命の實相には,「生命の實相<革表紙版>」(全1巻)及び「生命の實相<黒布表紙版>」(全20巻)は含まれていないから,その著作権は,亡Aから原告社会事業団へ移転していない旨主張する。
 しかし,被告日本教文社の上記主張に理由がないことは前記で判断したとおりであるから,原告生長の家の上記主張も,理由がない。
イ したがって,「生命の實相<革表紙版>」(全1巻)及び「生命の實相<黒布表紙版>」(全20巻)の著作権が原告生長の家に帰属することを前提とする原告生長の家の本件Aの書籍1の出版等の差止請求,本件@の書籍1の著作権の確認請求及び本件Aの書籍1の複製権侵害の不法行為に基づく損害賠償請求は,その余の点について判断するまでもなく,いずれも理由がない。











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