著作権重要判例要旨[トップに戻る]







著作権に関する登録により著作物性を有することの事実上の推定が及ぶか
「『模様入りおにぎり具』手続補正書事件」平成230427日東京地方裁判所(平成22()35800 

【コメント】本件は、原告が、被告の商品台紙等に掲載した取扱説明文及び写真は、いずれも原告の著作物である「手続補正書」(原告が実用新案登録出願の願書に添付した明細書及び図面を補正するため特許庁に提出した同庁昭和5717日受付の手続補正書。以下「本件手続補正書」といい、このうち明細書部分を「本件明細書」、図面部分を「本件図面」という。)を複製又は翻案したものであり、被告の上記各掲載行為は、原告の有する本件手続補正書の著作権及び著作者人格権を侵害すると主張して、被告に対し、損害賠償の支払を求めた事案です。
 なお、本件において原告は、『平成18529日付けで,文化庁長官に対し,本件出願に係る願書(「本件願書」)について,著作物の題号を「模様入りごはん」,著作物の種類を「編集著作物」,著作物の内容又は体様を「ごはんの上に型当て板をのせ,ふりかけ,桜でんぶ等の具でごはんに模様を入れる料理法の説明文,及び図面。」として,第一発行年月日を「昭和5615日」とする第一発行年月日登録を申請し』、平成1875日付けで登録(「本件登録」)がされました。

[参考:著作権法施行令23条(却下)]

1 文化庁長官は、次に掲げる場合には、登録の申請を却下する。
<1> 登録を申請した事項が登録すべきものでないとき。
<2> 申請書が方式に適合しないとき。
<3> 登録の申請に係る著作物、実演、レコード、放送又は有線放送に関する登録がされている場合において、次に掲げる事由があるとき。
 () 申請書に記載した登録義務者の表示が著作権登録原簿等と符合しないこと(当該登録義務者が登録名義人の相続人その他の一般承継人である場合を除く。)。
 () 申請者が登録名義人である場合において、その表示(当該申請が登録名義人の表示の変更又は更正の登録である場合におけるその登録の目的に係る事項の表示を除く。)が著作権登録原簿等と符合しないこと。
 () 申請書に記載した著作物の題号若しくは実演、レコード、放送番組若しくは有線放送番組の名称、登録の目的に係る権利の表示又は登録番号が著作権登録原簿等と符合しないこと。
<4> 申請書に必要な資料を添附しないとき。
<5> 申請書に登録の原因を証明する書面を添附した場合において、これが申請書に記載した事項と符合しないとき。
<6> 登録免許税を納付しないとき。
2 前項の規定による却下は、理由を附した書面をもつて行なう。 


 原告は,本件手続補正書は,本件願書と実質的に同一の著作物であるところ,本件願書は著作物として登録がされているから,著作権法753項により著作物と推定されると主張する。
 しかし,本件願書について登録がされているのは,著作権法76条の登録(第一発行年月日等の登録)であって,同法75条の登録(実名の登録)ではない。
 また,著作権法753項で推定されるのは当該登録に係る著作物の著作者であること,同法762項で推定されるのは当該登録に係る年月日において最初の発行又は最初の公表があったことであって,登録に係る対象が著作物性を有することが推定されるのではない
 
原告は,著作物として認められないのであれば却下理由になるはずであると主張するが,著作権に関する登録は,いわゆる形式審査により行われ,法令の規定に従った方式により申請されているかなど却下事由に該当しないかどうかを審査するものである(同法施行令23条参照)から,著作権に関する登録により著作物性を有することについて事実上の推定が及ぶと解することもできない











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