著作権重要判例要旨[トップに戻る]







差止の射程範囲(11)
「都議会議員肖像写真無断利用事件」平成230209日東京地方裁判所(平成21()25767等)/平成231031日知的財産高等裁判所(平成23()10020 

【原審】

 差止め,廃棄の必要性について
(1) 差止め請求について
 本件においては,原告が主張する被告の侵害行為自体が認められることに加え,被告が現在もなお被告写真14の画像データを有している可能性を否定できず,現に,本件訴訟係属後の平成2224日には,インターネット上の被告のウェブサイト(ブログ)に本件写真の複製物と認められる写真が掲載されていること(甲19)等の事情を考慮すれば,被告が今後も被告写真13を掲載したビラを作成して頒布し,被告写真4をインターネット上の自己のウェブサイトにアップロードするおそれがあると認められる。
 よって,原告の著作権法1121項に基づく@本件写真を掲載したビラの頒布差止請求及びA被告写真4をインターネット上のウェブサイトで送信可能化することの差止請求は,いずれも理由がある。
(2) 廃棄請求について
 被告は,本件各ビラは既に残存していないと供述するが,本件各ビラには本件写真の複製物が掲載されており,かつ,被告が本件各ビラを全部廃棄したと認めるに足りる証拠はないから,被告に対し,本件各ビラの廃棄を命じる必要が認められる。
 よって,原告の著作権法1122項に基づく本件写真を掲載したビラの廃棄請求は,理由がある。

【控訴審】

 控訴人は,原判決が,甲19(控訴人のブログ)等の事情を考慮した上,「被告が今後も被告写真13を掲載したビラを作成して頒布し,被告写真4をインターネット上の自己サイトにアップロードするおそれがある」と認定した点につき,甲19(控訴人のブログ)では,A議員のウェブサイトを掲載することが不可欠であり,掲載に当たりその旨きちんと説明を加えているから報道のための転用であって何ら問題がないにもかかわらず,上記事実をもって,本件各ビラの作成・頒布やインターネット上の自己サイトにアップロードするおそれがあるとした原判決の認定・判断には何の根拠もない旨主張する。
 しかし,控訴人は著作権侵害の事実を争っており,また,控訴人が現在もなお控訴人各写真の画像データを保有している可能性が十分に認められる以上,現在侵害行為がなされていないとの一事をもって,将来二度と侵害行為を行わないと断定することはできないから,控訴人には,著作権法1121項にいう「侵害のおそれ」が存すると認めるのが相当である。
 また,原判決が甲19(控訴人のブログ)に言及したのは,控訴人が今後も当該画像データを使用するおそれのあることを示す1つの事情として考慮したにすぎず,控訴人の主張する事実があったとしても,原判決の認定・判断に影響を及ぼすものではない。
 
したがって,控訴人の上記主張は採用することができない。











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