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著名弁護士のプライバシー侵害、名誉毀損、肖像権侵害が問題となった事例(名誉毀損の一部のみ肯定)
「タレント弁護士‘キャバクラ’記事事件」
平成160219日東京地方裁判所(平成14()26959 

【コメント】本件は、原告(当時日本テレビ制作・放映「行列のできる法律相談所」(「本件テレビ番組」)に出演していた弁護士)が、被告の発行した月刊誌及びその開設したインターネット上のホームページに掲載された記事により名誉を毀損され、かつ、プライバシー及び肖像権を侵害されたとして、被告に対し、民法709条、710条に基づき、損害賠償金300万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案です。

 なお、以下の判示中、「本件記事1」とは、そのタイトルを「バラエティ番組出演中の有名弁護士を目撃 池袋のキャバクラに通うAの素顔」にかかる記事のことで、「本件記事2」とは、「バラエティ番組で活躍中のA弁護士が池袋キャバクラMにハマり中」との記事をさしています。 


1 プライバシー侵害関係
(1) プライバシー侵害の有無
 前判示の事実によれば,本件記事1及び2は,原告がキャバクラに頻繁に赴いていること及びその際の原告の具体的な言動等を摘示するものであり,本件写真1は,店内で原告が女性従業員の接待を受けて歓談している様子を撮影したものであるが,これらはいずれも原告が弁護士としての職務活動から離れた後の私生活上の行状に関するものである。
 ところで,…によると,原告がキャバクラで遊興することがあったことは,Mの関係者を除けば一般には知られていなかったものと認められる。そして,キャバクラは,主として男性がその配偶者や交際相手以外の女性との交流を求め,比較的高額な飲食代金を支払って接待を受けるもので,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」という。)による規制の対象となる飲食業であるが,原告がこれに頻繁に赴いていたこと,これに関連する店内外での言動や接待を受けている様子等は,一般人の感受性を基準にした場合に通常は公開を欲しないであろうと思われる事柄ということができるので,本件記事1及び本件写真1を掲載した本件雑誌の発行及び本件記事2の本件ホームページへの掲載は,原告のプライバシーを侵害するものと認めることができる。
(2) 違法性の存否
ア 個人のプライバシーを侵害する行為についても,それが報道機関による言論・出版活動として相当な範囲内において行われた場合には,憲法上の優越的地位を認められた表現の自由の行使であることから,許容されるものというべきであり,具体的には,その表現行為が社会の正当な関心事に係るものであり,かつ,表現の内容及び方法が目的に照らし不当なものでないときは,その行為に違法性はなく,不法行為は成立しないと解される。
イ そこで,本件記事1及び2並びに本件写真1による報道が社会の正当な関心事に係るものであるか否かについて検討するに,この報道の対象が原告の私生活上の行状に関するものであることは前判示のとおりであるが,そのような場合であっても,報道の対象とされる者の社会における立場及びその活動の性質並びにこれらを通じて社会に及ぼす影響のいかんによっては,その者の社会的活動に対する批判ないし評価の一資料になり得るものとして,社会の正当な関心事に当たる場合もあると解される。
 ところで,前判示の事実に加え,…によれば,原告は,弁護士として自己の受任事件を処理する傍ら,日本弁護士連合会の非弁提携問題対策委員会,東京弁護士会の綱紀委員会,司法修習委員会,常議員会等において委員等を務め,また,東京簡易裁判所において司法委員や調停委員として実際に民事紛争の公権的解決に当たるなど,公務ないしこれに準ずる職務を行っているばかりでなく,本件テレビ番組に出演した際,日常生活上の様々な法律問題につき自己の弁護士としての見解を披露していたことが認められる。
 これに加え,弁護士は,弁護士法により,一定の法律事務について独占的に行うことが認められている上,基本的人権を擁護し,社会的正義を実現することを使命とし,常に深い教養の保持と高い品性の陶冶に努め,法令及び法律事務に精通することが求められていることからすれば,原告は,法律事務を職業として行う単なる一私人という立場を超え,社会において公的な意味を有する存在でもあるということができ,このことをも併せ考慮すると,原告の社会における立場及びその活動の性質は公的な色彩を帯び,これを通じて原告が社会一般に対して多大な影響を及ぼしていたということができる。
 そして,原告が弁護士として取り扱う法律事務の中には異性間の交際や対立に起因する紛争が含まれており,これを法律専門家として処理する際に異性関係についての基本的な考え方が反映することもないわけではなく,社会の中にはこの点を軽視できないとする傾向があることも否定できないから,前判示のような報道をすること自体は,法律専門家として社会的な活動に携わる者としての資質に疑問を呈する一要素になり得るものというべきである。また,…によれば,本件テレビ番組においては,異性関係に関する法律問題が取り扱われていたことが認められるところ,これについても前同様に判断者の異性関係に関する全人格的な判断が結論に相当程度影響するであろう推測するに難くないから,同番組出演者であることを特に取り上げて報道することは,原告のこの点に関する考え方を推知する一助となり得ると考えられる。
 以上の諸点によると,本件記事1及び2並びに本件写真1による報道は,原告の社会的な活動に対する批判ないし評価の一資料になり得るものであり,社会の正当な関心事に係るものということができる
ウ 次に,前判示)のとおり,本件記事1においては,法曹界における原告の評価が高く,キャバクラにおいても女性従業員らの評判が良い旨を述べる一方で,原告を「Aセンセイ」と表記する箇所があり,キャバクラへの来店を「出勤」と呼んだり,「ハメを外してしまうこと」の例として女性従業員に「乳首触らせて」と迫ったことを取り上げたり,「ハメを外さないようにしたほうがいいけど,ま,余計なお世話か(笑)。」と締め括り,また,本件記事2においては,原告がキャバクラに頻繁に赴いていることを表現するに際して「ハマり中」というように一部片仮名を用いたりしており,原告を揶揄したかのような文章となっており,それだけに全体的に原告に対する辛辣かつ批判的な印象を読者に与えている。
 しかしながら,本件記事1及び2を通じて,その言わんとするところは,本件テレビ番組に出演している著名な弁護士である原告が頻繁にキャバクラを訪れ,女性従業員に対してセクハラとも受け取られかねない言動をしている点にあり,…によれば,このような報道をした趣旨・目的は,弁護士として社会的に影響力のある原告について読者に情報を提供し,原告についての意見を形成する資料とするためであったと認められるのであって,前判示の報道内容自体はこのような趣旨・目的に副うものであるということができ,表現方法も一方的に原告の人格を非難あるいは攻撃するようなものではなく,不当とまではいうことができない
 なお,本件写真1の掲載は,キャバクラを訪れていることを示すためのものであり,報道目的に照らし,不当とすることはできない。
エ そうすると,プライバシー侵害については違法性がないとの被告の主張を採用することができるから,原告のこの点に関する主張は理由がない。

2 名誉毀損関係
(1) 本件摘示部分について
ア 社会的評価の低下の有無及び程度
 本件記事1のうち本件摘示部分は,原告がキャバクラの女性従業員に対して「乳首触らせて」と迫ったことを摘示するものであるが,このような事実は,前判示の弁護士の職務の特質に照らし,特に原告が弁護士として高い品性の陶冶に努めることを求められていることにかんがみると,女性従業員から接待を受ける場であるとはいえ,そもそも風営法による規制における客の性的好奇心に応じて役務を提供する業種とは異なるキャバクラの店舗内であるにもかかわらず,女性に対する節度ある接し方をわきまえない品性に欠けた人物であるとの印象を一般に与えるものとみることができる。そして,本件雑誌の発行部数は前判示のとおりであって,これに掲載された本件記事1の内容が全国的に流布されることにより,弁護士としての原告に対する社会的評価は相当程度低下したと認められる。
イ 違法性又は故意若しくは過失の存否
() 報道による事実の摘示が人の社会的評価を低下させる場合であっても,それが公共の利害に関する事実に係り,専ら公益を図る目的に出た場合であって,摘示された事実が真実であることが証明されたときは,その行為に違法性がなく,不法行為は成立せず,仮に摘示事実が真実であることが証明されなくとも,行為者においてその事実を真実と信じるについて相当な理由があるときは,その行為には故意又は過失がなく,結局,不法行為は成立しないと解される。
() ところで,本件摘示部分においては原告の私生活上の行状が取り上げられているのであるが,このような事実であっても,摘示の対象とされる者の社会における立場及びその活動の性質並びにこれらを通じて社会に及ぼす影響のいかんによっては,その者の社会的活動に対する批判ないし評価の一資料として,公共の利害に関する事実に当たる場合もあると解されるところ,原告の従事している職務の性質にかんがみ,その社会における立場及び活動の性質は公的な色彩を帯び,これを通じて原告が社会一般に対して多大な影響を及ぼしていることは,前判示のとおりである。
 そして,このような原告がキャバクラの女性従業員に対して品性に欠ける言動をした旨摘示することは,弁護士として社会的な活動に携わる者としての資質に疑問を呈する一要素になり得るということができる。また,異性関係に関する法律問題についても原告の全人格的な判断が結論に影響するであろうと考えられ,本件摘示部分の記述が他の要素とあいまって原告の異性関係についての考え方を推知する一助となる場合もあることは,前同様である。
 そうすると,本件摘示部分の記述は,原告の社会的な活動に対する批判ないし評価の一資料になり得るものであり,公共の利害に関する事実に当たるということができる。
() 次に,被告が本件記事1を本件雑誌に掲載した趣旨・目的は前判示のとおりであり,本件摘示部分についても同様のことが当てはまるから,公益を図る目的があったと認めることができる。
 なお,本件摘示部分の内容は,原告の性的好奇心から出た言動と受け取られかねないものであり,読者の興味を惹くような事柄であることは明らかであるが,商業雑誌が読者の知りたい情報を提供してその関心を集めようとすることはやむを得ないことであって,これのみを取り上げて目的が不当であったとすることはできない。そして,…によれば,本件摘示部分は執筆担当記者が得た情報をそのまま記述したものであると認められ,本件記事1を掲載した趣旨・目的に副うものと考えられるのであって,殊更にこの部分だけがのぞき見的な好奇心に訴えようとして執筆されたとみることはできないから,目的の公益性を否定することはできない。
() …によれば,被告の記者であるCは,本件記事1を掲載するに先立ち,その1月半ほど前に原告がMに赴いているとの情報を得たことから,同店の客であったDに原告の来店状況について調査をした上,同店の女性従業員であるE(同店における通称)から2回にわたり事情を聴取したところ,同僚のBが他の女性従業員に対し,原告から乳首を触らせてと迫られて嫌だったと話していたとの情報を得たことが認められる。また,…によれば,前掲Dは,EからBが原告に体を触られたと話していた旨を聞いたことが認められる。
 これらの各供述は,要証事実である原告がMの女性従業員(本件摘示部分の記述からは明らかでないが,担当記者であるCの供述からは,これが具体的にはBを指しているものと認められる。)に対して「乳首触らせて」と言って迫っていたか否かについては,伝聞供述であり,Bの原体験供述に関する反対尋問を経ていないばかりでなく,同人の供述内容とされる部分が概括的で具体性に欠けており,しかも,子細に比較してみれば,触られたのかあるいは触らせてと迫られたのかという違いもあり,これらの各伝聞供述のみから原供述内容の真偽を判断することは困難である。
 他方,原告は,本人尋問において,胸に触らせろと真剣に求める意味合いではないものの,冗談のように言ったことはあると述べているところ,乳首を触らせてと迫ったことについては,本人尋問及び陳述書で明確に否定している。
 なお,…によれば,原告は,Bに対し,遠慮なく物を言ったり身体を密着させたりすることがあったこと,同人の胸について話題にすることがあったこと,同人の同僚であったFに対しても,その胸や腿に手を触れたことがあったことが認められ,これによって原告がキャバクラの女性従業員の身体に手を触れることがあったということは推認することができるものの,Bの原供述内容そのものが直ちに裏付けられるものではない。
 ところで,原告がキャバクラの女性従業員に対し,乳首を触らせてと迫ったとの記述は,女性への対応の仕方としても品性を欠く印象を与える具体的な事実を摘示するものであり,単なる会話の中での冗談めいたやりとりとは性質を異にするものというべきである。
 前掲各証拠の対比及び検討によれば,本件摘示部分の記述を真実と認めることは困難であり,他にこれを認めるに足りる証拠はないから,この点に関する被告の主張を採用することはできない。
() 前判示()の各事実に加え,…によれば,Cは,平成149月下旬にEからBの供述内容を聞知し,Dから事情聴取し,自らもMに赴くなどして取材活動をし,その結果,本件摘示部分を真実であると信じたこと,本件雑誌の発行の約半月前である同年1025日に原告に取材を申し入れたが,これを拒絶されたこと,その翌日ころから本件記事1の執筆を開始したが,それまでの間にBから直接事情を聴取していないこと,以上の各事実が認められる。
 これによると,Cは,直接的又は間接的にEから前判示のような供述を得ることにより,本件摘示部分の記述を最終的に裏付ける資料としてはBの供述が極めて重要であることを容易に認識することができたというべきであり,しかも自らMにも赴いていたのであるから,Bに取材して,同人から直接に供述を得るようにすることは容易であったと認められ,かつ,原告の取材拒否によりこれらの確認措置を執る必要性がより一層増加したというべきである。それにもかかわらず,Cを始め被告の担当者は,これを行っていないのであるから,本件摘示部分の記述に係る裏付取材としては不十分であったといわざるを得ない
 以上によれば,被告は,本件摘示部分の記述が真実であると誤信したことについて相当な理由があるということはできないので,この点に関する被告の主張は採用できない。
(2) 本件記事2について
ア 社会的評価の低下の有無
 本件記事2は,「ハマり中」との表現で著名弁護士である原告がキャバクラに頻繁に赴いていることを摘示するものであるが,前記の文言は,理性を欠いて過度に利用していることを連想させ,弁護士としての品性に欠けるとの印象を与えるおそれも十分あるから,これを本件ホームページに掲載して,インターネット上において不特定又は多数の者が検索可能な状態に置くことにより原告の社会的評価が低下したと認めることができる。
イ 違法性の存否
() 本件記事2が摘示する事実は,原告の私生活上の行状に関するものであり,弁護士である原告の社会的な活動に対する批判ないし評価の一資料として公共の利害に関する事実に当たることは,前判示と同様である。
() 次に,…によれば,本件ホームページは,本件雑誌において記事にすることが検討された情報を惹句風に簡潔に摘記することにより紹介することを目的とするものと認められるので,本件記事2をインターネット上で検索可能な状態に置くことは,当該記事を掲載した雑誌を発行するのとほぼ同様の趣旨に出た行為とみることができる。
 したがって,本件記事2を本件ホームページに掲載した目的は,公益を図ることにあったと認めることができる。
 なお,本件記事2は,「ハマり中」との文言により原告を揶揄しているかのように受け取られかねない表現方法を用いているけれども,これを根拠に目的の公益性を否定することはできないことは前判示と同様である。
() さらに,摘示事実の真実性について検討するに,その表現において「ハマり中」との言葉を用いているために,理性を欠いて過度にキャバクラを利用しているかのような印象を読者に与えるものであるところ,…によれば,原告は,本件記事2が本件ホームページに掲載された当時,少なくとも週12回,多いときで週34回の頻度でMに赴き,気心の知れている特定の女性従業員2名を指名して接待を受けており,特定の女性従業員と店外で待ち合わせた上でこれを同伴して来店したことも数回あったことが認められる。
 これによれば,原告のキャバクラに対する行動傾向は,理性を欠いていると評価されるほど夢中になった状態にあったとまでいうことはできないけれども,赴く頻度の高さ等に照らすと,通常の利用客よりもかなり積極的であったといって差し支えない。
 本件記事2は,このような原告のキャバクラの利用状況ないし傾向を表すために「ハマり中」との言葉を用いたのであって,表現方法が必ずしも適切でなく,誇張されたきらいがあるとの印象は免れないけれども,そうだからといって,直ちにこれをもって表現内容が虚偽であるとすることはできない
 そうすると,本件記事2の摘示事実は真実であると認められるので,この点に関する被告の主張は,その余の点につき判断するまでもなく理由があり,原告の主張は失当である。

3 肖像権侵害関係
(1) 肖像権侵害の有無
 前判示のとおり,被告は,Mにおいて女性従業員と会話をする原告の上半身を撮影した本件写真1及び本件テレビ番組に出演中の原告の上半身を撮影した本件写真2を本件記事1にそれぞれ掲載しているところ,原告が被告に対し,本件写真1及び2を掲載することについて,いずれも個別の承諾をしていないことについては当事者間に争いがないから,原告の肖像権を侵害するものということができる。
(2) 違法性の存否
ア 肖像写真の公表が,それ自体において又は文章表現と相まって,言論,出版その他の表現の自由の行使として行われることもあり,このような場合においては,民主主義社会において重要な人権の1つである表現の自由との均衡上,当該表現行為が公共の利害に関する事項に係り,公益を図る目的をもってなされ,これにより公表された内容がその表現目的に照らして相当であるという要件を満たすときは違法性が阻却されると解すべきである。
イ そこで,以上の諸点について検討するに,まず,本件記事1が公共の利害に関する事実に係るものであること及びこれを掲載した本件雑誌を発行することには公益を図る目的があることは,前判示のとおりである。
ウ 次に,本件写真1が本件記事1の対象とされている原告の人物像及び記事の内容とされている行動を視覚的に説明するために用いられていることは,その掲載方法に照らして明らかである。
 そして,弁護士として一定の社会的活動を行っている原告についてその資質等を評価するための資料を提供するという面を有する本件記事1において,その主要な摘示事実となっているキャバクラでの言動等について説明するために,店内で女性従業員と歓談している様子を撮影した写真を掲載することは,その報道目的に副ったものということができる。この点で,原告の承諾を得ないで撮影されたことが問題とならないわけではないが,プライバシー侵害行為としての違法性がないことは前判示1(2)のとおりであるから,その掲載を必ずしも不当な表現方法とすることはできない。
 また,本件テレビ番組に出演していることは,原告の異性関係に関する基本的な考え方を推知する意味を問題にする上で重要な事柄であるから,原告の人物像を伝えるためにその容姿を掲載する程度のことは,前判示の目的に照らして相当ということができる。なお,本件写真2を本件雑誌に掲載することは原告が承諾していないのであるが,全国放送網のテレビ番組に出演して多数の公衆の前に明らかにされた場面を撮影した写真を掲載することは,いったんその容姿を秘匿することを放棄した以上,殊更に不当とすべきではないというべきである。
 以上によれば,被告のこの点に関する主張を採用することができ,原告の主張は理由がない。

4 損害の発生の有無及びその程度
 …によれば,本件雑誌は,全国的に多くの部数が発行されており,多数の読者に本件摘示部分に係る原告の言動が報道され,その発行後,インターネットの電子掲示板に原告を揶揄する書込みがされるなどの事態が生じ,原告が少なからず精神的苦痛を被ったであろうことは推測するに難くない。
 しかしながら,本件において被告の報道が違法性を有するのはこの1点に限るのであって,しかも,やや性質を異にするといえども,本件摘示部分において記載された言動と類似の行為を原告が行っていたことは前判示のとおりであり,このことは慰謝料を算定する上で考慮せざるを得ない。
 
そこで,以上の諸点のほか,原告の社会的地位等の諸般の事情を考慮すれば,原告の精神的苦痛に対する慰謝料としては30万円とするのが相当である。











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