著作権重要判例要旨[トップに戻る]







112条の意義(2)
インターネット経由テレビ番組視聴サービス『まねきTV』事件-差戻審-平成240131日知的財産高等裁判所(平成23()10009 

 差止請求権の行使が権利の濫用に当たるかについて
 被告は,ベースステーションは合法的な機器であり,本件サービスによって原告らには不利益が生じないこと,原告らの権利行使が認められた場合,本件サービスが差し止められ,被告は,経済的に大きな不利益を受けること,本件サービスが差し止められれば,広範囲の社会的不利益が生じることを理由として,原告らの著作権ないし著作隣接権に基づく差止請求権の行使は権利の濫用に当たる旨主張する。
 しかし,被告の主張は採用できない。
 著作権法112条が,著作権等を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し,その侵害の停止又は予防を請求することができると規定する趣旨は,著作権等が無体物に関する権利であり,かつ,独占的な権利行使を内容とすることから,著作権等の侵害の救済のためには,損害賠償だけでは不十分であり,侵害行為を直ちに停止させる必要があることに由来する。したがって,著作権,著作隣接権の侵害又は侵害のおそれが認められるならば,著作権者等は,差止請求権を行使できると解することが法の趣旨に沿うというべきである。
 
被告は,本件サービスの差止めにより,被告と本件サービスの利用者が経済的ないし社会的不利益を被る旨主張する。しかし,本件において,そのような不利益が生じたとしても,それは法が当然に想定している不利益の範囲を超えないものと解されるから,原告らによる差止請求権の行使が権利の濫用に当たるとはいえない。











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