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一般不法行為の成否-否認事例(26)-
「過払金回収の書籍事件」平成230915日名古屋地方裁判所(平成21()4998 

 不法行為の成否について
(1) 原告らは,被告らが本件各書籍を執筆した行為は,他人の執筆の成果物を不正に利用して利益を得る不公正な行為として社会的に許容される限度を超え,不法行為が成立する旨主張する。
(2) 前記認定事実によれば,本件書籍1の執筆者であるKは,過払金返還請求訴訟をしたことのない素人であり,過払金に関する本を参考にして本件書籍1を執筆したこと,Kが原告各書籍を参考にする機会があったことが認められる。また,別紙対比表のとおり,原告各書籍と本件書籍1とでは,各表現部分において相当程度の同一性,類似性が認められる上,本件書籍1は,原告書籍1の「第1回公判前の和解」という誤った記載と全く同一の記載をしていることからすれば,Kは,原告各書籍に依拠して本件書籍1を執筆したものと推認せざるを得ない。
 また,前記認定事実のとおり,被告Y1は,本件書籍1の加筆・増補を行って本件書籍2を作成したものと認められるから,結局,本件書籍2は,原告各書籍に依拠した本件書籍1に依拠したものというべきである。
(3) しかしながら,前記記載のとおり,本件各書籍は,原告各書籍とは異なる部分が相当程度あり,その基本的構成,章立て等も含めて見ると,原告各書籍とは,全体的な印象も含めて基本的に異なる書籍ということができること,そして,本件各表現と原告各表現で表現の同一性,類似性を有するとされている部分は,過払金や訴訟の仕組み等を読者向けに説明する際の表現として,創作性の認められないものであることに鑑みると,被告Y2が本件書籍1を監修した行為,被告Y1が本件書籍1に依拠して本件書籍2を作成した行為が,公正な競争として社会的に許容される限度を逸脱した不公正な行為として不法行為を構成するとまで認めることはできない
 
したがって,原告らの上記主張は採用できない。











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