著作権重要判例要旨[トップに戻る]







著作権譲渡の黙示の合意の成立を肯定した事例(3)
「黒澤映画DVD輸入販売/東宝事件@-差戻審-」平成240509日知的財産高等裁判所(平成24()10013
 

 [1審原告の著作権]
(1) …を総合すれば,以下の事実が認められる。
 (略)
(2) 著作権の帰属
ア 前記(1)認定のとおり,本件各映画には,本件各監督の個性が発揮され,本件各監督が,それぞれ本件各映画の制作に,監督として相当程度関与し,本件各映画の全体的形成に創作的に寄与した者ということができる。
 そして,本件各監督と1審原告との間に著作権譲渡についての契約書はないが,上記認定のとおり,1審原告が本件各映画の利用許諾等による対価を得た場合,本件各監督に対し追加報酬を支払い,また,1審原告が放送への利用許諾等をした際には,協同組合日本映画監督協会を通じて本件各監督等に対しその旨を連絡していることに照らすと,1審原告は本件各監督を本件各映画の著作者(の1人)として処遇し,遅くとも本件各映画が公開された頃までには,本件各監督が1審原告又は新東宝に対し,自己に生じた著作権を譲渡したものと推認することができる
イ なお,前記のとおり,長年にわたる1審原告の本件各映画の著作権の行使に対し,本件各映画の制作に関与した本件各監督以外の者から,自己が著作者であるとの主張がされた形跡がなく,また,本件各監督のほか本件各映画の制作に関与した者やそれらの遺族等から,何らかの異議が述べられた形跡もないことに照らすと,仮に,本件各監督のほかに本件各映画の全体的形成に創作的に寄与した者が存在したとしても,これらの者についても,遅くとも本件各映画が公開された頃までには,映画製作者である1審原告又は新東宝に対し,黙示的に本件各映画の著作権を譲渡したものと推認するのが相当であり,これを覆すに足りる証拠はない。
(3) 1審原告の著作権
 したがって,遅くとも本件各映画が公開された頃には,新東宝は,本件映画1及び3の著作権を,1審原告は,本件映画2の著作権を,それぞれ単独で有していたものと認められる。
 そして,新東宝は,1審原告に対し,昭和38420日,本件映画1及び3の著作権を譲渡したから,1審原告は,本件各映画の著作権を単独で有しているものと認められる。
 
なお,本件各監督が本件各映画の著作者であったのであるから,本件各映画の保護期間は,未だ満了していない。











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