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確認の利益(11)
「‘YG性格検査用紙’出版契約更新拒絶事件」平成231124?大阪地方裁判所(平成21()20132 

【コメント】原告竹井機器は、亡P5との間で、平成1211日に「本件各検査用紙」について著作物出版契約(以下「本件出版契約」という。)を締結して本件各検査用紙を出版・販売していたところ、同契約で定められた当初の利用期間が満了したことから、原告竹井機器及び本件各検査用紙の著作権の相続人ら間で、同契約の存続を巡って紛争が生じました。
 本件のうち「甲事件」は、主位的に、原告竹井機器、原告P1及び同P2らと被告P3との間で、本件出版契約が存在していることの確認を求めた事案です。 


 甲事件のうち原告P1及び同P2の主位的請求に係る訴えに確認の利益があるかについて
(1) 原告竹井機器が,本件各検査用紙を出版,販売する権原の根拠となる平成1211日締結された本件出版契約の契約関係は,甲事件に関する限度でみると,原告P1と被告P3P5を相続し,原告P2P6を相続したP10をさらに相続したことから,現在では,原告竹井機器と原告P1との間の契約関係,原告竹井機器と被告P3との間の契約関係,原告竹井機器と原告P2との間の契約関係(ただし,本件検査用紙1ないし3だけを対象とする。)からなる。
 これらの契約関係は,共有に係る著作権の利用に関する契約であることから,著作権法65条等によって,その権利行使が相互に規制される面があるものの,法律的にはそれぞれ独立した関係である
 したがって,原告P1及び同P2には,被告P3と間で,原告竹井機器と被告P3間の権利関係の存否について確認を求める利益は認められない
(2) 原告P1及び同P2は,被告P3との間で不当利得の問題が生じる可能性がある旨主張するが,被告P3は原告P1及び同P2が本件出版契約の契約当事者であることを争っているわけではなく,また被告P3は,現在も,本件出版契約が更新されたことを前提とする印税相当額を受領しているから,本件出版契約が存続しているのであれば,不当利得の問題を生じる余地はないし,存続していない場合でも,不当利得の問題は,出版社である原告竹井機器と同原告から印税として著作権利用料を受領した原告P1,同P2及び被告P3とのそれぞれの間で生じるだけであって,被告P3と原告P1及び同P2間で不当利得の問題が生じることはないから,この点を理由とする原告P1及び同P2の主張は失当である。
 なお,実質的にみても,被告P3は,上記のとおり,原告P1及び同P2が相続により本件出版契約の契約当事者となったことを争っているわけではないから,原告竹井機器と被告P3間との間で,本件出版契約関係の存続を前提とする権利を原告竹井機器が有することが確認されれば,原告P1,同P2及び被告P3と,原告竹井機器間の本件出版契約の存続が確認されたと実質的には同じことになり,これだけで本件の当事者間における紛争解決には必要にして十分である
(3) 以上のとおり,甲事件のうち原告P1及び同P2の主位的請求に係る訴えは,確認の利益がなく不適法である。











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