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一般不法行為の成否-否認事例(28)-
火災保険改定説明書面事件?平成231222東京地方裁判所(平成22()36616 

【コメント】本件は、損害保険の代理店業等を営む原告が、損害保険会社である被告に対し、被告が、原告と被告間の損害保険代理店契約が解除された後に、原告の著作物である「平成2211日付け火災保険改定のお知らせ」と題する説明書面(「本件説明書面」)を複製し、これを含む案内資料(「被告案内資料」)を原告の顧客である社会福祉法人に送付し、被告との火災保険契約の締結を勧誘した行為は、原告の本件説明書面についての著作権(複製権)の侵害、上記解除に伴い原告と被告間で締結された秘密保持契約違反の債務不履行、不正競争防止法2113号の不正競争行為及び一般不法行為に該当するとして、民法709条、415条及び不競法4条に基づく損害賠償と遅延損害金の支払を求めた事案です。 

 一般不法行為の成否について
 原告は,被告が,原告作成の本件説明書面を複製するなどして被告案内資料を作成し,また,被告案内書面に被告の提供する火災保険の内容について需要者に誤認を生じさせる表示をし,原告の顧客を奪う目的でこれらを本件特約火災保険の契約者である社会福祉法人に送付して被告との火災保険契約の締結を勧誘した一連の行為は,公正な競争として社会的に許容される限度を超える違法な行為として,一般不法行為を構成する旨を主張する。
 この点,原告が主張する被告の一連の行為とされるもののうち,本件説明書面を複製して被告案内資料中の「見本@」及び「見本A」と題する各書面を作成した行為が,原告の著作権(複製権)を侵害するものであることは,前記で述べたとおりである。そして,被告による当該著作権侵害行為が少なくとも過失によるものであることは明らかであるから,被告の当該侵害行為は原告に対する不法行為を構成するものと認められる。
 他方,被告案内書面に被告の提供する火災保険の内容について需要者に誤認を生じさせる表示がある旨の原告の主張に理由がないことは,前記で述べたとおりである。また,前記で述べたとおり,被告が被告案内資料を送付した先が原告の顧客である本件特約火災保険の契約者に限られるものとは認められないことからすると,被告が原告の顧客を奪うことを目的として被告案内資料の送付を行ったものと断定するに足りる根拠はなく,この点についても,原告の上記主張は認められない。
 
してみると,被告案内資料の送付に係る被告の一連の行為は,上記著作権侵害行為に係る部分を除けば,格別公正な競争として社会的に許容される限度を超えるものと認めることはできないから,上記著作権侵害の不法行為が成立することとは別に,上記一連の行為全体が原告に対する一般不法行為を構成するものとする原告の主張は,これを採用することができない











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