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著作物の再販適用除外制度とゲームソフト
SCE事件平成130801日公正取引委員会審判審決(平成10年(判)第1号) 

[参考:独禁法234]

著作物を発行する事業者又はその発行する物を販売する事業者が、その物の販売の相手方たる事業者とその物の再販売価格を決定し、これを維持するためにする正当な行為についても、第1項と同様とする。 


 著作物再販制度との関係
 被審人は,ゲームソフトは独占禁止法第23条第4項の「著作物」に該当するので,再販売価格拘束の禁止は適用されないと主張する。
 しかしながら,昭和28年の独占禁止法改正により導入された同法第23条第4項による著作物の再販適用除外制度は,当時の書籍,雑誌,新聞及びレコード盤(著作物4品目)の定価販売の慣行を追認する趣旨で導入されたものとされている。そして,公正取引委員会では,その後,音楽用テープ及び音楽用CDについては,レコード盤とその機能・効用が同一であることからレコード盤に準じるものとして取り扱い,著作物4品目を含む,これら6品目に限定して著作物再販制度の対象とすることとし,その旨公表されている(平成4415日公正取引委員会公表)。
 ゲームソフトについては,昭和28年の独占禁止法改正当時には存在しておらず,また,上記著作物4品目のいずれかとその機能・効用を同一にするものではないし,著作物再販制度が独占禁止法上原則として違法として禁止される再販売価格維持行為に対する例外的措置であることからすると,これを再販適用除外の対象とすべき著作物に該当するものということはできない
 これに対し,被審人は,独占禁止法第23条第4項の「著作物」は著作権法上の著作物と同様に解すべきところ,同法の解釈上,ゲームソフトが著作物に当たることは明らかであり,これに独占禁止法の再販価格拘束の禁止は適用されないと主張する。
 しかしながら,著作権法上の著作物は,「思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義される(著作権法第2条第1項第1号)のに対し,独占禁止法の規制の対象となる「著作物」とは市場において実際に流通する個々の商品であるところ,書籍,雑誌及び新聞は著作権法上の著作物の「複製物」に当たり,また,レコード盤並びにこれに準ずる音楽用テープ及び音楽用CDは著作権法上の「商業用レコード」(著作権法第2条第1項第7号)であって,著作物の「複製物」に当たるのであり,著作物再販適用除外の対象となる「著作物」と著作権法上の「著作物」とが概念を異にすることは明らかである。また,前記の著作物の再販適用除外制度の立法経緯や立法趣旨に照らしても,独占禁止法第23条第4項の「著作物」を著作権法上の著作物と同様に解すべきであるとする根拠は見当たらない。したがって,被審人の上記主張は採用できない。
 
なお,証拠によれば,被審人としても,PSソフトの発売当初,CD-ROMを媒体とするゲームソフトは独占禁止法第23条第4項の著作物には含まれず,ゲームソフトの再販売価格維持行為は違法であることを認識していたことが認められるのであり,この点からみても,被審人の上記主張は理由がない。











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