著作権重要判例要旨[トップに戻る]







TV番組をDVD化した映像の二次的著作物性及びその寄与度が問題となった事例
韓流スタートーク番組DVD事件平成240711日東京地方裁判所(平成22()44305 

【コメント】本件は、所定のDVD商品(「本件商品」)の映像(本件商品のDVDに固定された一連の映像であり、音声・音楽・字幕を含む。以下「本件映像」という。)の著作権を有すると主張する原告が、被告に対し、本件商品の販売・頒布の差止めを求めるとともに、損害金等の支払を求めた事案です。
 本件においては、以下のような前提事実があります。
       原告は、「韓国」において設立された株式会社であり、映像物製造等を業としている。一方、被告は、映像・音楽ソフトメーカーであり、各種パッケージソフト(CDDVD等)及びデジタルコンテンツの企画・制作・販売等を業としている。
 ・  原告は、平成19677日、「MBC」との間で、韓国の俳優・女優(いわゆる韓流スター)が出演した韓国のトーク番組である「パク・サンウォンの美しいTV顔」と題するテレビプログラム(以下「本件プログラム」という。)を利用したDVD映像を製作・販売する契約(以下「本件プログラム利用契約」という。)を締結した。本件プログラム利用契約により、MBCは、原告に対し、本件プログラムを利用して本件映像を製作、複製し、日本国内で頒布する権利を独占的に利用許諾した。原告は、上記契約に基づき、本件映像及びそれを収録した本件商品を製作した。 


 原告の著作権の有無について
(1) 準拠法
 (略)
(2) 本件映像の著作者には争いがあるが,その著作者がMBCであれ原告であれ,ベルヌ条約の同盟国である韓国の国民であるから,いずれにせよ,本件映像はベルヌ条約により我が国が保護の義務を負う著作物であり,著作権法63号により,著作権法の保護を受ける著作物である。
(3) 原告は,映画の著作物である本件映像についての著作権を主張し,映画の著作物に当たらない本件商品のパッケージについては著作権を主張していないものと解される。
 本件映像は,本件プログラムにつき,原告が,原告の費用において,日本語字幕を付け,音楽を差し替え,17名の韓国人俳優・女優の出演した回を選択し,本件映像に収録すべき場面を選択して編集し,DVD化したものである。
 本件映像からは,MBCが著作権を有する本件プログラム,すなわち,韓国で放映されたトーク番組「パク・サンウォンの美しいTV顔」の表現上の本質的な特徴を直接感得することができる
 そして,原告の行った作業には,日本語字幕の作成,差し替えた音楽の選択,収録回の選択,収録場面の選択などにおいて原告の思想が創作的に表現されていると認められるから,本件映像は,MBCが著作権を有する本件プログラムを原著作物とする二次的著作物と認められる
 そうすると,本件プログラムの二次的著作物である本件映像につき,原告が本件プログラムに新たに加えた創作的部分については,映画の著作物である本件映像の映画製作者であると認められる原告が単独で著作権を有しているが,本件プログラムと共通しその実質を同じくする部分については,原告の著作権は及ばないというべきである。
(4) 原告は,@映画の著作物である本件映像の全体的形成に創作的に寄与した者は原告であるから,原告が本件映像の単独著作者である(著作権法16条),A原告は本件映像の映画製作者であり,MBCは本件映像の製作に参加することを約束していたから,原告が単独著作権者である(同法291項),などと主張するところ,原告の主張が,MBCが原著作物の著作権者として本件映像に有している権利を否定するものであれば,採用できない。
 本件プログラム利用契約の内容をみても,「『乙』(注:原告)が『商品』(注:本件商品)の制作のために『甲』(注:MBC)からの許諾を受けて別途に製作した動画及びオーディオファイルなど関連映像著作物に対する著作権及び著作隣接権は『甲』と『乙』にある(5050)」(42項),「『商品』の権利問題において『甲』は『プログラム』(注:本件プログラム)の著作権について責任を負い,『乙』は『商品』に使用された韓国外音楽に対して責任を負う。映像内肖像権は映像特例法に準じ,映像特例法を超過する範囲の肖像権問題が発生した時は『甲』と『乙』が共同で責任を負う」(64項)などとされており,MBCは,本件映像にMBCの著作権が及ぶことを前提としていたものと考えられる。現に,原告も,本件商品にMBCの名称を表示している。
(5) 他方,被告は,原告の行った作業に創作性はなく,本件映像は本件プログラムの単なる複製品であって原告は著作権を有しないと主張するが,原告の行った作業に創作性が認められることは前記のとおりであるから,被告の主張は採用できない。
(6) 本件映像は,MBCが著作権を有する本件プログラムを原著作物とし,原告がDVD化して翻案した二次的著作物であるところ,本件映像に対するMBCと原告の寄与割合は,本件映像におけるMBC寄与部分と原告寄与部分の割合,本件プログラム利用契約42項の規定(上記(4))などを考慮すると,5050と認めるのが相当である。











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