著作権重要判例要旨[トップに戻る]







法的保護に値する利益の侵害に係る不法行為の成否(2)
「‘シャトー勝沼’広告事件A」
平成260122日知的財産高等裁判所(平成25()10066 

 本件図案につき著作物性が否定された場合の被控訴人の不法行為責任
 著作権法6条は,保護を受けるべき著作物の範囲を定め,独占的な権利の及ぶ範囲や限界を明らかにしているのであり,同条所定の著作物に該当しないものである場合,当該著作物を独占的に利用する権利は法的保護の対象とならないものと解される。したがって,同条各号所定の著作物に該当しない著作物の利用行為は,同法が規律の対象とする著作物の利用による利益とは異なる法的に保護された利益を侵害するなどの特段の事情がない限り,不法行為を構成するものではないと解するのが相当である(最高裁平成23128日第1小法廷判決参照)。
 本件においても,上記で述べたとおり,本件図案につき著作物性が認められない以上,特段の事情が認められない限り,被控訴人に不法行為責任は認められないというべきであるところ,特段の事情を認めるに足りる証拠はない。
 この点について控訴人は,被控訴人との契約が継続することを前提に本件図柄の使用を許可した旨主張し,その根拠として,平成17830日付け広告掲載申込書(甲109)の掲載条件欄に,括弧書きで「デザイン類似転用不可」,「製作類似転用不可」と手書きで記載されている点を指摘する。しかしながら,同契約書の表題はあくまでも「広告掲載申込書」であって,契約終了後の本件図案の使用に関する合意まで含むものと評価することは困難である。実際に,控訴人と被控訴人との間では,平成10528日以降に広告看板の掲載に関する契約が多数交わされてきたが,その中では看板の取付料と年間掲載料についてのみ合意してきたと認められ(甲109と同趣旨の手書きの記載はない。),甲109の合意もその一環と解されるにすぎない。
 
したがって,甲109の記載をもって,控訴人と被控訴人とが本件図案の使用に関して一定の合意をしたと認めることはできない。よって,被控訴人の本件図柄の使用につき何らかの法的利益を侵害したものといえるような特段の事情を見出すことは困難であって,被控訴人の不法行為責任を認めることはできないというほかない。











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