著作権重要判例要旨[トップに戻る]







フリーランスの写真家が行った撮影に編集者が関与した事例
「‘週刊ホンダ’エンジン写真事件」
平成250719日東京地方裁判所(平成23()785 

※【 】は控訴審(同旨)で変更された箇所

原告が本件写真の著作者(創作者)であるかについて
ア 原告は,本件写真の撮影者であるが,著作者(創作者)であることについて争いがあるので検討する。
 …によれば,原告は,写真専門学校を卒業後,建築,自動車関連の撮影アシスタント,スポーツ専門の写真撮影会社勤務等を経て,本件写真の撮影当時は,フリーランスの写真家として活動していたこと,原告は,本件写真を撮影する前に,本件エンジンの銀色を際立たせるために,それに適した黒色の背景を提案したこと,本件写真の撮影場所が狭かったため,本件写真の撮影には三脚を使用することができなかったこと,原告は,本件写真の撮影に際し,手動によりシャッタースピードと絞り,ホワイトバランス等の露出を調整したこと,原告は,本件写真を撮影する直前に,ライティングの濃度,本件エンジンの角度,陰影等を確認するために,本件エンジンを被写体として数枚写真を撮影したこと,その後,原告は,本件エンジンの位置を決め,ライティングを調整し,本件エンジンの側面に光を当てるなどの工夫を凝らした上で,ファインダー内において本件エンジンが上下左右四辺から等距離に来た瞬間を捉えて本件写真を撮影したことが認められる。
 以上に照らすと,本件写真の撮影者である原告が本件写真を創作したと認めるのが相当である。
イ これに対し,補助参加人は,本件写真における,被写体の選択・配置,構図・カメラアングルの選択,ライティング・背景の決定等は,全て補助参加人が行っており,原告は,補助参加人の指示に従い,物理的な撮影行為を行ったのみである旨主張し,これに沿うBの陳述書)及び証人尋問における供述がある。
 しかしながら,Bの供述によっても,Bが写真撮影について専門的な教育を受けたとは認められない。また,Bは,本件写真の撮影に際し,原告撮影の写真について,デジタルカメラのディスプレイで確認したと供述するものの,そのファインダーを覗くことはなかった旨供述するのであるから,そのようなBが原告に対して写真撮影の具体的な指示ができたとは容易に認められない。【A(管理人注:原審のBのこと)は,書籍の編集者としての立場から,読者が好む写真を作成するために必要な要望を伝えたものであって,それを踏まえ第1審原告が上記ア認定のとおり写真の撮影をする中で本件写真を撮影したものであり,上記要望の域を超えて写真の創作的内容についての具体的指示をしたものと認めることはできない。】
ウ 以上のとおり,原告が本件写真の著作者(創作者)であると認められる。
 
他方で,補助参加人が本件写真の著作者あるいは共同著作者であるとは認められない。











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