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包括的利用許諾を認定した上で同一性保持権の侵害を否定した事例
「‘週刊ホンダ’エンジン写真事件」平成251225日知的財産高等裁判所(平成25()10076 

 同一性保持権の侵害の有無について
 本件写真と本件掲載写真とを比較すると,本件掲載写真には,前記前提事実記載の態様の改変が加えられていることが認められる。
 しかし,前記認定のとおり,補助参加人は,第1審原告から本件写真の利用ないし二次利用について包括的許諾を受けているものである上に,第1審原告は,Cから,写真の権利について「買取り」との説明を受け,Bから,写真に関する権利は全て補助参加人のものになり,二次利用をしようがどのように使おうが補助参加人の自由である旨の説明を受けている。しかも,補助参加人の書籍における第1審原告撮影の写真の用いられ方は,文章の内容を補足して写真で説明したり,文章を理解しやすくするために用いられたりするものも多く,「HONDA CB750Four FILE.」に用いられた写真のように,比較的鑑賞用と考え得るものであっても,その被写体についての解説も併せて予定されていると解されるものである。しかも,「HONDA CB750Four FILE.」においては,本件写真と同時に撮影された写真から本件エンジン部分(背景部分の一部を含む。)だけが切り出されて掲載されているほか,掲載された同写真の下部には被写体のエンジンについて説明する文章が記載されている。また,第1審原告撮影の写真を用いて補助参加人が出版した書籍において,第1審原告撮影の写真上に説明のための矢印が挿入されているものも存在する。
 以上によれば,少なくとも,第1審原告は,第1審原告の名誉・声望を害しない限りにおいて,写真を切り出したり,あるいは,写真上に説明のための文章等を追加する等,出版される書籍における写真の利用目的に応じて必要な限度での写真の改変については同意をしていたものと認めるのが相当である。
 そして,本件写真の改変の態様は上記認定のとおりであって,いずれも本件書籍における写真の利用目的に応じた必要な限度のものにすぎず,しかも,その改変態様に照らしても,改変が第1審原告の名誉・声望を害するものとも認められない。
 
そうすると,第1審原告の同一性保持権侵害の主張は理由がない。











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