著作権重要判例要旨[トップに戻る]







著作者人格権の不行使契約(3)
「‘週刊ホンダ’エンジン写真事件」平成250719日東京地方裁判所(平成23()785/平成251225日知的財産高等裁判所(平成25()10076 

【原審】

 著作者人格権不行使の合意の有無について
 補助参加人は,著作権の「買取り」とは,補助参加人従業員の管理下で撮影された写真を補助参加人がどのように利用しようと異議を申し立てないとの意であるから,著作者人格権を行使しないとの趣旨も当然に含まれる旨を主張する。
 しかしながら,前記のとおり,Dの供述では,原告に対する説明は撮影した写真の「買取り」にとどまり,具体的に著作権の譲渡について説明したものではない。また,Dは,著作者人格権の説明はしていない旨供述するから,たとえDが原告に対して「買取り」と説明していたとしても,それが著作者人格権を行使しない趣旨を含むものとは解されない。
 以上のとおり,Dの供述によっては,原告と補助参加人との間で,著作者人格権不行使の合意があったとは認められないし,その他これを認めるに足りる証拠もない。
 したがって,原告は,被告に対し,著作者人格権を行使できるものというべきである。

【控訴審】

 著作者人格権不行使の合意の有無について
 補助参加人は,著作権の「買取り」とは,補助参加人従業員の管理下で撮影された写真を補助参加人がどのように利用しようと異議を申し立てないとの意であるから,著作者人格権を行使しないとの趣旨も当然に含まれる旨主張する。
 しかし,前記認定のとおり,Cは,第1審原告に対し,撮影した写真について「買取り」である旨説明してはいるものの,著作者人格権の説明はしていないとも供述している上に,前記認定の事実も併せ考えると,Cの上記説明をもって,第1審原告と補助参加人との間で,著作者人格権(氏名表示権)不行使の合意があったとまでは認めるには足りず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。
 
よって,補助参加人の上記主張を採用することはできず,第1審原告は,第1審被告に対し,著作者人格権(氏名表示権)を行使することができる。











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