著作権重要判例要旨[トップに戻る]







著作権を相続した遺族の固有の名誉感情を傷つけたとして慰謝料の支払いを命じた事例(2)
「‘基幹物理学’分冊事件」平成250301日東京地方裁判所(平成22()38003 

【コメント】事件の詳しい経緯は、<氏名表示権の侵害事例(18)を参照。 

 原告X′に対する不法行為の成否について
 前記のとおり,分冊Tの著作者名表示は,亡Wの氏名表示権の侵害となるべき不適法なものであったと認められるところ,前記…の各事実に,証拠(略)を併せ考慮すれば,原告X1は亡Wの妻,原告X2及び原告X3は亡Wの子であるが,同原告らは,著作者である亡Wの単なる相続人であるというだけでなく,亡Wの死後,亡Wのために,原告X4に本件著作物の完成を依頼したほか,被告会社と本件出版契約を締結した上,被告Y2と打合せをして,本冊の著者紹介,奥付,表紙及び「はじめに」等の原稿の校閲をし,さらに,400万円近くの出版助成金を提供するとともに,その印税を放棄するなどして,本件著作物の完成と出版に相当程度寄与したことが認められる。
 これらの事実によれば,原告X′は,亡Wの作品である本件著作物について深い愛着を持ち,その著作者名の表示についても重大な関心を有しており,したがって,亡Wの氏名表示権の侵害となるべき分冊Tの著作者名表示によって,多大な精神的苦痛を被ったものと推認することができる
 
そうすると,分冊Tの著作者名表示は,原告X′の固有の利益を侵害するものとして,原告X′に対する不法行為を構成すると解するのが相当である。











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