著作権重要判例要旨[トップに戻る]







著作権に基づかない人格的利益侵害による不法行為の成否
「映画『光の人』vs.書籍『いのちを語る』事件」平成250910知的財産高等裁判所(平成25()10039 

 著作権に基づかない人格的利益侵害による不法行為の成否について
 控訴人は,本件インタビュー部分が控訴人の創作活動の成果物である以上,その内容が第三者により無断で改変されないことにつき人格的利益があり,その侵害としての不法行為が成立する旨主張する。しかしながら,控訴人のそのような利益は,著作権法が規律の対象とする利益と同一であるということができ,保護された利益が共通であるから,著作権侵害ないし著作者人格権侵害が成立しないのに,別途不法行為が成立することはない(最高裁平成23128日第一小法廷判決参照)。控訴人は,人格的利益の内容について,「名誉権,プライバシー権又はこれに類似した人格的利益」とも主張しているところ,名誉権侵害が成立しないことは前記に述べたとおりであり,その他の利益侵害についてはその内容が明らかとされていない。
 
控訴人は,結局のところ,被控訴人が本件インタビュー部分を正確に引用しなかったことを問題としているものと解されるが,被告記述部分は,本件インタビュー部分における表現を感得できない表現形式で記述したものであり,著作権を侵害する態様の記述とはなっていないのであるから,被告記述部分の作成をもって,不法行為が成立するということはできない。また,控訴人が,被控訴人の行為が,インタビューの内容等について,個人的・社会的・学術的な評価や批判を控訴人に向ける記載態様であり,社会的相当性を欠く旨主張するが,被告記述部分からそのような内容を読み取ることはできないし,控訴人の主張する被控訴人の不当な意図については,いずれも控訴人の陳述のほかに客観的な証拠を欠いており,採用することはできない。











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