著作権重要判例要旨[トップに戻る]







教材用星座板の複製権侵害の成否
「教材用星座板事件」
平成250418日大阪地方裁判所(平成24()9969 

【コメント】本件は、原告が、被告に対し、被告の行為について、原告星座板に対する原告の複製権等を侵害するものであるとして、被告星座板の作成及び頒布の差止め等を求めるとともに、著作権等に不法行為又は一般不法行為に基づ賠償金その他の支払を求めた事案です。 

1 原告星座板の著作物性及び原告星座板と被告星座板の同一等について
(1) 著作の複製
 著作の複製(著作権2115号)とは,写真,録,録その方法により有形的に製することをいい,の著作拠することを要する(最高裁昭和5397日第一小判決参照)。
 また,著作権は,思想又は情の作的な表現護するものであるから(同211参照),の著作拠して作された著作が,思想しくはアイ,事実しくは事件など表現それ体でない部分又は表現上のがない部分にいて,の著作と同一するにすない合には,複製にも案にも当たらない(最高裁平成13628日第一小判決参照)。
(2) 星座板
 …によると,星座板については,のとおり説明することができる。
 星座板は,星座を観するに用いるもので,別紙の原告星座板被告星座板のように,円の平に,天空の星をし,星座線や星座名を記載し,天空に観できる星星座と比較し,容易することができるようにしたものである。季節時刻によて,観できる領られるので,その領限定するためのマスク円盤を組み合わせて使用する。
 天空に観できる星の位置(実位置ではなく,地球上の観者からえる位置関係であ地球から天空合における,天球球面上にその位置を求めることができる。)は,北極南極)を中とした等間放射線赤径)と等間の同円(赤緯)からなる上に特定することができる(観特定しさえすれ特定しても同じ位置となる。)。
 で使用される星座板では,北極星を中とした天球半分にえ,観される地点緯度)から観可能天球半分の一部が星座板にかれる(観測地点緯度なれ,観可能天球範囲てくるが,日本国で使用する星座板の作成者は,日おける観測地点の平的な緯度選択することが予想され,そこに個性見出すことはできない。)。その天球おけ上の位置を,そのまま円記すると,中北極)かられるにい広がるため,複の星の位置関係(これらの星によ成される星座の形状)が実に観される位置関係(星座の形状)に比べ歪むことになる。
 星座板は,天空おける星座の位置等を把握するために用いられるものであ,上記のとおり歪んだままの表現したのでは,ずしも使用目的にするものではない。そこで,星座板を作成するに当たては,その使用目的にうように,星及び星座の天球おけ上の位置を,そのまま円記するのではなく,実天空を観した合の星座の形状等を反映するように修正することが行われている。そのような修正をするに当たては,実の観おける星の位置関係反映させる要があることにえ,星座板体の大きさのから,その修正をしたおける星の位置関係等をむ表現られたものとならるをず,表現自体として差化する(個性表現する)ことのできる部分はない。
(3) 原告星座板と被告星座板との比較
 原告星座板と被告星座板を比較すると,星の数や位置,星座位置や形状形状が一していることがめられる。
 星座板の作成過程(前記(2))にえ,原告星座板と被告星座板における星の位置関係や天形状が一していることからすると,被告星座板は,原告星座板に拠して作成されたことが推認される。
 他方で,原告星座板と被告星座板との間に,前記のとおり相違点があることについては争いがない。
(4) 原告星座板及び被告星座板の一おけ
 以下のとおり,原告が原告星座板と被告星座板の一として主するは,いずれも表現上の選択く,ありふれた又は平表現であがないから,被告の行為は複製に当たらないというきである。
星座の選択
 原告は,88の星座の中から星座を選択するには大なの組合せがあうるのであ,その選択に作成者の個性れておりする表現である旨主する。
 そこで検討すると,…によれ代からいな星座がされてきたが,たの1930年,国際天文学合にいて,1928年に開された第3回総会までの論をて,星座の境界1875年分おける時赤緯を使用し,星座の88とするとめられたことがめられる。
 前記(2)説明した星座板の割からすると,観測地点緯度なれえる星座はなるから,日本国で販売・使用されるものであることを前提として星座板(星)を作成するのであれでしかることができない星座な88の星座のう本国で観することが不可能な星座はくのが当である。
 また,小学校学習指導要領理科によれ,第4学年にいて月星を観し,月の位置と星のるさ及び位置調べ,月星の特徴や動きについてのえをつことができるようにするとされていること,原告製品(原告星座板)及び被告製品(被告星座板)は,いずれも小学校4を対として,上記学習指導要領でめられた学習のための教材として販売されていることがめられる。
 したがて,教育目的から観する主要な星座を選択し,観さない星座をくのが当である。
 そうすると,学習用教材としての星座板に載せることのできる星座の及びその選択は,ずと限定されたものとならるをない
 に,原告及び被告以者が作成した星座板をみると,くく座をいた原告星座板及び被告星座板に掲載された星座は者が作成した星座板にも掲載されている。そして,社星座板に掲載されているにもかかわらず,原告星座板及び被告星座板に掲載されていない星座について,上記のような教育的観かららすということ以上に,作成者のらかの個性表現されているとする主証はない。,…によれ,原告は,使用する学年に合わせて星の増減しており,小学校56用には66星座としているとこ,原告星座板は小学校4用であることから42星座としたことがめられる。
 これらのことからすれ,星座の選択自体についてのある表現であるということはできない。
星座の特定方法及び星座の結び
 …によれ,星座はその境界区切られた領により定められており,星座の結び方や星座デザインについて学的な取り決めはないこと,1つの星座の星座に複エーシがあうることはめられる。
 他方で,星座は,星の配置便的な形象,すなわ神話伝説上の存在てて,天球分したものであるとこ,星座にする星の中から特定の星を選択して星座で結び,当形象すことは一に行われている。
 また,星のるさは,肉眼で観することのできるい星が6等星であるから,星座で結星を選択するに当たては,それ以上のるさをする星の中から選択する要があるし,星座名でされる神話伝説上の存在すのに,さわしい星を選択して星座で結要もある。
 これらのことからすると,星座の特定方法及び星座の結び表現選択当にといわなならない。
 原告星座板についても,原告の主及び証拠によれ星座にする1等星から4等星までの星の中から,星座の名表象する形象表現するのにさわしい星を選択して星座で結んだというにすないのであて,平かつありふれた表現であるというきである。
星座名の記載
 原告は,星座名の記載について,文のフォント,大きさ及び位置がある旨主する。
 しかしながら,星座名体はあらかめ決まているものであるし,前記の学習用指導教材であるという販売・使用の目的星座板体の大きさ等もすれ,文のフォント,大きさ,位置等の選択いことがらかである。原告星座板をみても,文のフォント,大きさ及び位置は平かつありふれたものであるといわるをず,らかの作成者の個性看取することはできないから,のある表現であるとはいいがたい。
星の位置
 原告が主するとおり,星の位置は時代によ化するものである。
 しかしながら,前記のとおり,原告星座板も被告星座板も日本国で販売・使用される小学校4向けの学習用指導教材であるから,代の星の位置を前提とせるをないのであて,選択は著しくいというかなく,このめることはできない。
 ,星座板に実に記載される星の位置について,星座板という平に記載することによる上,修正要があることは,記オのとおりである。
オ 星座板上における星の位置修正
 原告は,星座板に体を表現する合,実天球上の位置をそのまま表現することはできないから,星座板作成者は,赤緯及び赤径基づ表現と実夜空調和がられるように表現するのであ,このいて作成者の個性れると主する。
 そこで検討すると,まず,…によれ,前記(2)のとおり天球球面上にある星座を,平である星座板に合,ほど天体の位置関係が円周方向に広が,星座の歪むのに対し,中心付近では星座が対的に小さく表現されることがめられる。
 このため,星座板の作成者は,その使用目的にうように,すなわ,観者が,星座板と実に観できる星座をらし合わせたときにすることが容易となるよう,上における星の位置関係(星座の形状)を修正してくことがある。原告も,最初の星座板を作成するに当たては,原告星座板にされた星座について実の星える姿近づけく,実に星座を観しながら,星の位置調する作を行たことがめられる。
 原告星座板におけ体的な修正内容として,のような修正を指することができる。
 原告星座板では,南十字星を成する4つの星が,理科年上の星の位置したもので,南十字星を成する星をいに結ぶ直差させたものが,十字でなくとなる。)と,星をいに結ぶ直り十字を作ている(もとも,社の作成する星座板でも同様のことが行われている。)。また,さそ座の先端の星が,理科年上の星の位置したもので,の部分をでつなと,たたまれるようになる。)との部分をつないだ直が,たたまれているようではあるが,その角度が,やや緩やかとなている。
 心付近であても,原告星座板では,カシペア座の中にある星が,理科年両端の星をつなぐ直り出ずに,の星とつな広い。)や他社の作成した星座板とやや突出して記載されている(両端の星をつなぐ直り出おりの星とつなぼ直差する。)。
 さらに,原告星座板では,オリオ座の中にある3つの星が,理科年(一上にない)や他社の作成した星座板と,一上に記載されている。
 しかしながら,原告が主する上記の修正点社星座板との相違点)は,指されなすることができないの差である。
 そもそも,原告が著作者としての個性れているとして指する上記修正の目的は,前記のとおり,実に観できる星の位置関係(星座の形状)と星座板上にかれる星の位置関係(星座の形状)のいをなくするように調をするものであ特徴点やや強調するものであするものである。このようなことは,星座板の使用目的からすれに行われる事であて,かれなかれ,社も行ていることである。
 このような目的のもと,修正が行われた結なる表現となうるとしても,前記のとおりする部分の圧倒的にくならるをえず,なる表現とすることのできる部分はわずかであて,星座板の作成者の個性れるような表現となることはえがたい。,一の目的がある以上,選択は,収束する方向へ働くのであに,上記のとおり,その結には大差がないことからすれ,平かつありふれたものと評価するかない
 したがて,これらのについても,のある表現ということはできない。
星の
 原告は,星を表現するに当たの大きさ,を星とになるものとすることも可能であるから,表現がある旨主する。
 しかしながら,星を表現するに当たて,原告星座板で用いられている丸や表現特徴があるものではないし,等て大きさをえたをしたしているも平かつありふれたものというかない(な1等星から3等星までのは,相違している。)。

 原告は,イメージとして方法無限にあ,原告星座板のも作成者のイメージ従っいたものであるから,がある旨主する。
 しかしながら,…によると,社の作成する星座板には,原告星座板と同様に,天空と同白っくしたもの)でいたものが複ある。また,それらの星座板と原告星座板にかれた各形状輪郭)は,部でなるものの,通っていることがめられる。そして,原告星座板と社の作成する星座板にかれた各形状輪郭)に部の相違点について,らかの特徴や表現上の個性れているとする体的な主証はない。天空で観できるイメージを星座板上にしようとすると,その色彩輪郭む表現が,結として,一範囲収束しているものというきである。
 これらのことからすると,原告星座板にかれた表現についても,平かつありふれたものというきである。
銀河北極
 原告は,星座板を作成する銀河北極すことは通常なく,原告星座板に銀河北極部分を×印いているがある旨主する。
 しかしながら,そもそも原告星座板の商品カタログ,商品パッケージ及び商品体をても,星座板に表示された×印まれた領位置する。)が銀河北極していることにする説明当たらない。
 そのくとしても,銀河北極特定星を指すものでもなく,天球上で観測可能でもないのであて,前記た星座板の使用目的からしてもくものではない。仮に,これを選択して表現したらかの作成者の個性められうるとしても,星座板の表現全体にめる割合が著しく僅少であ特徴のある表現としてすることも困難であることからすれ,この部分のみをもて著作物性めるのは当でないというきである。
(5) まとめ
 前記(4)検討したとこによれ,被告星座板は,表現上のめがたい部分にいて,原告星座板と同一するにすないから,被告の行為は複製に当たらないというきである。
 ,原告は,原告星座板にめられないとしても,実的に同一のもの(デッドコピ)についてのみ複製権侵害が成すると解釈することで,第三者の表現に対する当なとなることはられるから,原告星座板の著作物性きであると主する。しかしながら,そもそものない表現は著作権上の著作として護をることはできないものであ,これと実的に同一のもの(デッドコピ)を複製したとしても著作権(複製権)侵害が成することはないというきであ,上記主用することはできない。
 以上によれ,そのについて判するまでもなく,著作権侵害に基づく原告の請求には理由がない。
2 著作者人権(同一性保持権及び氏名表示権)侵害の成について
 
前記1のとおり,被告星座板は,表現上のがない部分にいて,原告星座板と同一するにすないから,被告の行為については著作者人権(同一性保持権及び氏名表示権)侵害も成しない。











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