著作権重要判例要旨[トップに戻る]







譲渡契約の解釈(19)
POS情報開示システム契約事件」平成250920日東京地方裁判所(平成24()6801

 宝箱システムの著作権の帰属について
() 原告は,東京流通情報は,平成15年頃,宝箱システムのシステムプログラムを制作し,その著作権を有していたと主張した上で,東京流通情報から著作権の譲渡を受けたと主張する。
 そこで検討するに,…によれば,@被告組合は,東京流通情報に対し,宝箱システムの開発を委託したこと,A被告組合と東京流通情報との間の平成151210日付け「開発業務委託に関する基本契約書」61項には「委託業務の成果物に関する一切の権利は,甲(注記:被告組合を指す。)に帰属するものとする。」と定められていること,B同契約書301項には,「委託業務の対価…については,個別契約毎に定めるものとする。」とされていること,C被告組合は,東京流通情報に対し,システムの初期開発費と次年度からのシステム継続更新費用を含めて,会費収入の20%を支払うことを決定したこと,D被告組合と東京流通情報との間の同日付け「コープさっぽろPOS情報開示システム保守契約書」6条本文は「保守業務の対価およびその支払方法は次の各号に準じて支払う。…」,同条1号は「甲(注記:被告組合を指す。)が本システム公開によって得た総売上の20%(税別)とする。」と定められていることが認められる。
 以上に照らすと,宝箱システムの著作権は,被告組合に帰属していたと認めるのが相当であるから,原告が東京流通情報との間で当該著作権に係る譲渡の合意をしても原告に著作権が帰属することはない。
 
これに対し,A(東京流通情報の取締役)及びB(東京流通情報の元取締役及びPSIGの代表者)は,それぞれの陳述書において,反対趣旨の供述をする。しかしながら,上記認定事実に加え,PSIGの作成と推認される宝箱システムのホームページには, 「(c) 2003-2010コープさっぽろAll rights reserved 開発: 鞄結棊ャ通情報研究所(20032005Pacific Systems Integration Group, Inc2006〜)」と記載されていること,原告とPSIGとの間の平成1941日付け「契約書」の前文には「生活協同組合コープさっぽろ…の考案・ライセンス許諾による『宝箱システム』」と記載されていること,被告組合と東京流通情報との間で宝箱システムに関して紛争はなかったことに照らすと,上記供述は容易に採用することができない(なお,原告も本件訴訟提起時には運営当初の宝箱システムの著作権が被告組合に帰属することを認めていた〔訴状5頁〕。)。











相談してみる

ホームに戻る