著作権重要判例要旨[トップに戻る]







一般不法行為の成否-否認事例(33)-
「黒ネコ等のキャラクターデザイン事件」平成251021日東京地方裁判所(平成24()10382

【コメント】本件は、原告が、原告作品について、デザイナーとして原告に勤務しているAが職務上作成したものであると主張した上で、被告甲が提供したデザインに基づいて被告会社が製造・販売した被告商品について、原告作品を複製・翻案したものである旨主張して、被告会社に対し、著作権侵害を理由とする差止を求めるとともに、被告らに対し、著作権・著作者人格権侵害を理由とする不法行為に基づく損害賠償、原告の営業上の利益を故意に侵害することを理由とする不法行為に基づく損害賠償を求めた事案です。 

1 著作権・著作者人格権侵害を理由とする請求について
 本件の事案に鑑み,まず,被告商品が原告作品を複製・翻案したものであるかについて,原告主張に係る原告作品の箇所と被告商品の対応箇所とを対比することにより検討する。
(1) 原告作品1と被告商品1との対比
 (略)
(6) 検証物提示命令及び文書提出命令の申立てについて
 原告は,証拠上画像が不鮮明な被告商品について,被告会社を相手方として検証物提示命令を申し立てるとともに,当該被告商品に係る原画について,被告甲を相手方として文書提出命令を申し立てた。
 しかしながら,上記(1)(5)のとおり,被告商品の構成が特定できる範囲において,原告作品と被告商品を対比しても,被告商品が原告作品を複製又は翻案したものであるとは認められないから,検証物提示命令及び文書提出命令が必要であるとは認められない。
 したがって,上記の検証物提示命令及び文書提出命令の申立ては,いずれも却下する。
(7) まとめ
 以上のとおり,被告商品について,原告作品を複製又は翻案したものであるとは認められないし,原告作品を改変したものであるとも認められない。
 そうすると,その余について判断するまでもなく,著作権法112条に基づく差止・廃棄請求及び著作権・著作者人格権侵害を理由とする不法行為請求は理由がない。
2 原告の営業上の利益を故意に侵害することを理由とする不法行為に基づく損害賠償請求について
 原告は,被告らが何らの労力も費やさずに容易かつ大量に原告商品を模倣して営業上の利益を上げることは,原告商品の価値を低下させるとともに,原告の顧客を奪うものであって,公正かつ自由な競争原理によって成り立つ取引社会において,著しく不公正な手段を用いて,法律上保護される原告の営業活動上の利益を侵害するものとして,不法行為を構成するなどと主張する。
 原告の主張は,被告らが自由競争の範囲を逸脱して原告の営業を妨害したため,原告の営業上の利益が侵害されていることを主張するものと解される。
 しかしながら,本件記録を精査しても,被告らが自由競争の範囲を逸脱して原告の営業を妨害していることを肯定できる事情は見当たらないから,原告の主張は理由がない。
 
したがって,その余について判断するまでもなく,原告の営業上の利益を故意に侵害することを理由とする不法行為に基づく損害賠償請求は理由がない。











相談してみる

ホームに戻る