著作権重要判例要旨[トップに戻る]







原著作者の権利(5)-原案担当者と作画担当者との関係-
「漫画シナリオ著作権侵害発信者情報開示請求事件」平成26117日東京地方裁判所(平成25()20542
 

1 末尾に掲記した証拠等によれば,以下の事実が認められる。
(1) 原告は,同人サークル「Art Jam」を立ち上げ,「B」のペンネームで漫画原作等の創作活動を行う者である。
 本件漫画1の奥付には,「制作:Art Jam(画osm,原案B,プロットAB)」,「本作品のの著作権はArt Jamにあります。」との記載がある。
 原告は,平成231231日に「Art Jam」として本件漫画1を発行するに先立って,原案担当者として,本件漫画1の詳細なストーリー,キャラクター名,キャラクターの設定,台詞等を設定したシナリオを作成し,作画担当者である「osm」ことAAに送付した。プロット担当者であるABは,原告の指示を受けて,シナリオに書かれている原告のイメージを大まかな線人形のようなラフ画に起こし,AAのイメージを持ちやすくした。AAは,原告の作成したシナリオを原作とする二次的著作物として本件漫画1を作成し(なお,本件漫画は,いずれも原告のシナリオ以外に漫画,アニメーション等の原作を有しないオリジナルの漫画である。),必要に応じて原告の指示を受けながら,漫画として完成させた。AA及びABは,完成した本件漫画1を原告に納品するに当たり,完成した本件漫画1の著作権(著作権法27条,28条の権利を含む。)を原告に譲渡した。
 (略)
2 原告が本件漫画の著作権者であるか否かについて
(1) 上記1(1)の事実によれば,本件漫画1は,原告が原案担当者として創作性ある著作物であるシナリオを作成し,作画担当者である「osm」ことAAが,シナリオの二次的著作物として本件漫画1を完成させたものであり,原告は本件漫画1につき二次的著作物の原作者としての権利を有していること,AAは本件漫画1を原告に納品するに当たり,本件漫画1の著作権を原告に譲渡していることが認められる。
 そうすると,原告は,本件漫画1の著作権者であると認められる。
 
被告は,AAが陳述書で述べるとおりであれば「原案B」ではなく「原作B」等と記載されていたはずである,などと主張するが,「Art Jam」は同人サークルであるから「原案」と「原作」につき厳密な使い分けをしていたとは限らず,作画担当者であるAAの陳述書の記載内容を疑う理由はない。











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