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一般不法行為の成否-否認事例(35)-
「歴史教科書出版差止等請求事件」平成27910日知的財産高等裁判所(平成27()10009

【コメント】本件は、原告が、被告らが制作して出版する各書籍が原告の著作権を有する書籍の記述を流用したものであり、原告の翻案権及び著作者人格権(同一性保持権・氏名表示権)を侵害すると主張して、著作権法1121項及び2項に基づき、被告らに対し、被告書籍の出版等の差止めなどを求めた事案の控訴審です。

 一般不法行為の成否について
 控訴人は,仮に,被控訴人らに著作権侵害・著作者人格権侵害が成立しないとしても,被控訴人らは控訴人各記述に係る控訴人の執筆者利益を害したものであるから,不法行為が成立する旨を主張する。
 しかしながら,控訴人の主張する控訴人各記述に係る控訴人の執筆者利益とは,どのような法的性質であるのか必ずしも明確とはいえないところ,控訴人各記述が表現として法的保護に値するか否かは,まさに著作権法が規定するところである。
 そして,控訴人各記述が,上記のとおり,具体的表現のみならず,その単元構成,事項の選択・配列等も含めて,著作権法によって保護される表現に当たらない以上,これら表現を控訴人が独占的,排他的に使用し得るわけではないから,被控訴人各記述に控訴人各記述に似たところ又は共通するところがあったとしても,被控訴人の権利又は利益が害されたことにはならない。したがって,ただ単に,被控訴人各記述に控訴人各記述に似たところ又は共通するところがあるというだけでは,被控訴人各記述を用いることが公正な競争として社会的に許容する限度を超えるということはできない
 
控訴人の一般不法行為に基づく請求は,理由がない。











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