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独禁法21条と著作権法(2)
「旅行業システム事件」平成26314日東京地方裁判所(平成21()16019

【コメント】
※参考:「この法律の規定は、著作権法、特許法、実用新案法、意匠法又は商標法による権利の行使と認められる行為にはこれを適用しない。」(独禁法21条)


 原告の行為の独占禁止法違反の可能性の有無について
 被告らは,原告システム及び被告システムのような,行程表・見積書の作成及び出力,売上・集計・顧客管理のトータルサポートを可能とする旅行業向けシステムを開発・販売している業者が原告と被告会社の2社のみであり,寡占状況となっているとすれば,原告の本訴提起による被告CDDBの差止請求及び損害賠償請求は,原告1社による市場独占を企図するものと考えられ,公共の利益に反し一定の取引分野における競争を実質的に制限するものであるから,独占禁止法25項,3条に違反している可能性があり,原告の請求はこの点から速やかに棄却されるべきものである旨主張する。
 独占禁止法25項は,「この法律において『私的独占』とは,事業者が,単独に,又は他の事業者と結合し,若しくは通謀し,その他いかなる方法をもってするかを問わず,他の事業者の事業活動を排除し,又は支配することにより,公共の利益に反して,一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。」とし,同法3条は,事業者が私的独占等をしてはならないことを定めるものであるところ,そもそも,それらの規定に違反しているというのであればともかく,その可能性があるというのみで,原告の請求を棄却しなければならない法的根拠は不明といわざるを得ないばかりか,原告による本件訴えの提起は著作権法等に基づくものであるところ,独占禁止法21条は,同法の適用関係について,著作権法による権利行使には適用しないと規定しているのであって,本件全証拠を精査しても,原告による訴えの提起につき,同条の規定を排除すべき事情を認めるに足りる証拠はなく,その他原告による被告らに対する差止め及び損害賠償等の請求につき,その権利行使が許されないとする事情は何ら認められない。
 
したがって,被告らの上記主張は採用することができない。











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