著作権重要判例要旨[トップに戻る]







一般不法行為の成否-否認事例(37)-
「英会話教材キャッチフレーズ事件」平成27320日東京地方裁判所(平成26()21237/平成271110日知的財産高等裁判所(平成27()10049

【コメント】本件は、原告が、被告によるキャッチフレーズ(「被告キャッチフレーズ」)の複製・公衆送信・複製物の頒布は、「原告キャッチフレーズ」の著作権侵害又は不正競争を構成すると主張して、被告に対し、被告キャッチフレーズの複製・公衆送信・複製物の頒布の差止めを求めるとともに、不法行為(著作権侵害行為、不正競争行為又は一般不法行為)に基づく損害賠償金等の支払を求めた事案です。

【 】…控訴審における原判決の補正箇所を表す。

 争点3(一般不法行為の成否)について
(1) 著作権法は,著作物の利用について,一定の範囲の者に対し,一定の要件の下に独占的な権利を認めるとともに,その独占的な権利と国民の文化的生活の自由との調和を図る趣旨で,著作権の発生原因,内容,範囲,消滅原因等を定め,独占的な権利の及ぶ範囲,限界を明らかにしている。また,不正競争防止法も,事業者間の公正な競争等を確保するため不正競争の発生原因,内容,範囲等を定め,周知商品等表示について混同を惹起する行為の限界を明らかにしている。ある行為が著作権侵害や不正競争に該当しないものである場合,当該作品を独占的に利用する権利は,原則として法的保護の対象とはならないものと解される。したがって,著作権法や不正競争防止法が規律の対象とする著作物や周知商品等表示の利用による利益とは異なる法的に保護された利益を侵害するなどの特段の事情がない限り,不法行為を構成するものではないと解するのが相当である(最高裁平成23128日判決[北朝鮮映画事件],知財高裁平成2488日判決[釣りゲーム事件])。
(2) この点,原告は,原告キャッチフレーズは多大の労力,費用をかけ,相応の苦労・工夫により作成されたものであって,法的に保護されるべき利益を有すると主張する。
 しかし,【著作権法や不正競争防止法は,著作行為や営業行為には労力や費用を要することを前提としつつ,あえてその行為及び成果物のすべてを保護対象とはしていないから,控訴人が指摘するように,キャッチフレーズに労力や費用を要するというだけでは】,被告による被告キャッチフレーズの使用に,著作権法や不正競争防止法が規律の対象とする利益とは異なる法的に保護される利益を侵害するなどの特段の事情があると認めることはできない
(3) したがって,原告の一般不法行為に基づく請求は認められない。











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