著作権重要判例要旨[トップに戻る]







浮世絵のデジタル処理作業を担当した者の著作者性
「浮世絵春画デジタルワーク・出版事件」平成141210日東京高等裁判所(平成13()5284 

 原審被告Bのなすべきものとされていたデジタルワーク作業は,原判決の認定するとおり,浮世絵画像から年月の経過による損傷や汚れを除去することにより浮世絵の作成当時における色彩を忠実に復元するというものであるから,専門的な技術及び経験を必要とする作業であり,少なくとも,作業者の技術,経験により出来映えに巧拙の差が生ずるものである。原判決は,上記デジタルワーク作業は,作業者自身の創作的要素が介在するものではないから,処理された結果としての画像につき作業者が著作権法上の著作者としての地位を取得するものではない,との趣旨の判断をした。
 
…によれば,上記デジタルワーク作業において,浮世絵画像の制作当時の色彩や技巧を再現するには,年月の経過による損傷や汚れを単に機械的に除去する技術だけではなく,浮世絵特有の色使いや様々な技巧についての作業者の造詣をも活用することが不可欠であることが認められる。このような作業者の造詣の内容(この中に,作業者の思想や感情が含まれることは,当然である。)によって,デジタルワーク作業の結果に,作業者の個性が表われることは明らかであるから,デジタルワーク後の画像自体には,創作性があり,その限度で著作物性が認められるというべきである。この点において,当裁判所は,原判決とは見解を異にする。











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