著作権重要判例要旨[トップに戻る]







図表の著作物性(3)
「チャート事件」
平成171117日東京地方裁判所(平成16()19816 

 著作権法は,「著作物」を「思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と定める(同法211号)のであって,思想又は感情の創作的な表現を保護するものである。したがって,思想,感情若しくはアイデア,事実若しくは事件など表現それ自体でないもの又は表現上の創作性がないものは,著作権法によって保護されないと解するのが相当である(最高裁平成13628日第一小法廷判決参照)。
 原告チャート(1)及び(2)は,左縦軸と右縦軸と横軸に目盛りを設定した方眼状の図表であり,原告チャート(3-1)(4-1)及び(5-1)は,その図表に使用例を記載したものである。このような図表又は図表の使用例に示される思想ないしアイデアそのものは,著作権法によって保護されるものではない。また,このような図表又は図表の使用例は,次に述べるとおり,かかる思想ないしアイデアを表現する際にその個性が表れず,定型的な一般的にありふれた表現としかならないような場合には,著作権法によって保護し得る表現上の創作性があるということはできない
 (略)
 
そして,かかる技術的知見ないしアイデアに思い至った場合に,それを表現するに際しては,図表の縦軸における温度と圧力を11に対応させた目盛り付けを行うこと以外には表現の方法がないのであるから,原告チャートの図表の表現自体に創作性があるということはできない。すなわち,原告チャートを作成するに至った技術的知見ないしアイデア自体に独自性や新規性があるとしても,その技術的知見ないしアイデア自体は,著作権法により保護されるべきものということはできず,著作権法は,その技術的知見ないしアイデアに基づいて個性的な表現方法が可能である場合に,個性的に具体的に表現されたものについてこれを保護するものであり,原告チャートについては,その技術的知見ないしアイデアそのものがそのまま表現されているものといわざるを得ない











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