著作権重要判例要旨[トップに戻る]







図表の著作物性(4)
「株式値動き図表‘増田足’事件」
平成120323日東京地方裁判所(平成10()15833 

 著作権法によって保護される「著作物」とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」ものである(著作権法211号)。すなわち、著作権法は、「創作的に表現したもの」を保護の対象とするのであって、表現ではあるが「創作的」といえないものは「著作物」に該当しないし、また、「思想又は感情」を創作しても、それ自体は著作権法により保護される「著作物」に当たらないということができる。
 これを本件についてみるに、原告は、別紙記載の図表の描き方によって作成されたものがすべて差止請求の対象となると主張しているが、右の主張は、右の描き方によって描かれた図表(原告が「増田足」と呼ぶ株式の値動きを記載した図表)がすべて原告の著作物であるというものであり、結局のところ、図表の描き方という思想自体につき著作権法による保護を求めようとするものであって、同法にいう「著作物」の定義に照らし、これを採用することができないことは明らかである。
 
また、原告は、原告図表が原告の著作物であるとも主張しているが、…によれば、株式の値動きを図表として表現するに当たり、縦軸に価格(上方ほど金額が高くなる。)、横軸に時間(左から右向きに時間が経過する。)をとること、単位期間(日、週、月)ごとの価格の変動の幅を長方形により表すこと、価格が上昇したか下落したかによって右の長方形を色分けすること、右のようして単位期間ごとに描いた長方形を時間の経過に沿って横軸方向に並べていくことは、従前から一般に行われているありふれた表現方法であると認められるから、原告図表につき、これを原告が「創作的に表現したもの」であると認めることはできない。なお、右のような表現方法をとるに当たり、一定の日、週又は月数の終値の平均値をもとにし、さらに短期、中期及び長期の三つの指標を組み合わせて図表を作成することが原告の独自の発案によるものであるとしても、原告が創作したと主張するものは思想自体であり、これを表現ということはできないから、著作権法による保護の対象となるものでない











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