著作権重要判例要旨[トップに戻る]







人形を被写体とする写真の二次的著作物性
「人形作品の写真集出版事件」平成190131日横浜地方裁判所(平成16()3460/平成190725日知的財産高等裁判所(平成19()10022 

【原審】

 原告は,本件写真集は,原告が本件各人形に込めた思想表現の内容を超える創作性がなく著作物とはいえない旨主張するが,本件写真集に掲載された写真及びこれらの写真を編集したものとしての本件写真集には上記のとおり本件各人形が有する創作性とは異なる別個の創作性があるものと認められるところであり,原告が供述しているようにたんなる作業というのは相当でない(原告は,自らが本件写真集の著作権を有しており,これが侵害された旨主張しながら,その一方で上記のように主張することは矛盾している。)。

【控訴審】

 
控訴人は,本件写真集は,控訴人が製作した本件各人形に込めた「夢と遊び心」という思想表現を写真という形態に移し変えて表現することを目的としたもので,本件作品集に掲載された写真自体は,被写体である原著作物(本件各人形)と原著作者である控訴人が作成した本件文章(謝辞等)による思想表現を超える独自の創作性を付与するものではないから,本件写真集の著作権は,控訴人に帰属すると主張する。
 しかし,控訴人の主張は,以下のとおり理由がない。
 
前記の認定事実によれば,本件写真集に掲載された本件各人形の写真は,本件各人形の形状・色彩等をただ単に写真の形式を借りて平面的に改めたものではなく,Aらにおいて,被写体として選択した本件各人形ごとに構図,カメラアングル,背景,照明等の組合せを選択,調整するなど,さまざまなアイデア,工夫を凝らして撮影し,作品として完成したものであり,正に,撮影者であるAらの思想又は感情を創作的に表現したものであるから,二次的著作物としての創作性が認められることに疑いを入れる余地はない。











相談してみる

ホームに戻る