著作権重要判例要旨[トップに戻る]







政治宣伝用ビラへの写真の無断掲載の適法引用が問題となった事例
「政治宣伝用ビラ作成配布事件」
平成150226日東京地方裁判所(平成13()12339/平成161129日東京高等裁判所(平成15()1464 

【原審】

 本件写真ビラは,専ら,公明党,原告及びDを批判する内容が記載された宣伝用のビラであること,原告写真1の被写体の上半身のみを切り抜き,本件写真ビラ全体の約15パーセントを占める大きさで掲載し,これに吹き出しを付け加えていること等の掲載態様に照らすならば,原告の写真の著作物を引用して利用することが,前記批判等の目的との関係で,社会通念に照らして正当な範囲内の利用であると解することはできず,また,このような態様で引用して利用することが公正な慣行に合致すると解することもできない
 (略)
 したがって,原告の許諾を得ずに,本件ビラ写真を掲載した本件写真ビラを作成,配布することは,原告写真1に対する原告の複製権及び譲渡権を侵害する。

【控訴審】

 1審被告らは,本件写真ビラは,1審原告,C及び公明党を批判する目的でCの肖像を必要な範囲で引用しているものであるから,著作権法321項に規定する適法な引用として許容されるものであると主張する。しかしながら,本件写真ビラは,ビラ自体としては,1審原告,C及び公明党を政治的に批判することを目的としたものであるとしても,そこに掲載された本件ビラ写真は,ビラの表面に大きく目を引く態様で印刷されている上,1審原告写真1の被写体の上半身部分のみを抜き出し,1審原告写真1の創作意図とはむしろ反対の印象を見る者に与えることを意図したことをうかがわせる「私は日本の国主であり大統領であり精神界の王者であり最高権力者である!」,「デージンも何人か出るでしょう。日本一の創価学会ですよ!」などの揶揄的な内容の吹き出しを付したものであるから,このような態様による写真の掲載を,公正な慣行に合致し,かつ,政治的に批判する批評の目的上,正当な範囲内で行われた引用と解することはできない











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