著作権重要判例要旨[トップに戻る]







既存の著作物への依拠性(4)-依拠の推認-
「民家素描画複製販売事件」平成41125日東京地方裁判所(平成2()15000 

 以上認定の事実によれば、本件著作物(一)と被告絵画(一)、本件著作物(二)と被告絵画(二)は、それぞれ、線の太い細いや画風の差があり、対象物についても背景等の重要でない部分において若干の相違があるとはいえ、それぞれ、同一の対象物を同じ角度から同じ構図で写実的に描いたもので、表現内容の中心ともいうべき建物やその近傍の樹木、畑の状況は、窓の開閉状況や道具類の位置等写生の時期が違えば変化しているはずの細部に至るまで一致しているところ、本件著作物(一)及び(二)の複製を掲載した絵葉書セット、スケッチ画集は相当多数販売されており、同じく「山の民家」、「日本の民家素描お手本集」等の書籍も一般に販売されていたものであり、Bは写生等の現地調査を行わず、被告小関から提供された資料や自ら調査した資料を参考に、各二週間程度で被告絵画(一)及び(二)の下絵を製作したというのであるから、これらの事実を総合すれば、Bが被告絵画(一)及び(二)の下絵を製作するのに参考にした資料中には本件著作物(一)及び(二)の複製が含まれており、Bは、本件著作物(一)及び(二)の複製の主要な部分をほとんどそのまま自己の筆法で写すようにし、周辺部を変更して被告絵画(一)及び(二)の下絵を製作したものと推認することができ、被告絵画(一)及び(二)は、本件著作物(一)及び(二)に依拠して作出されたものといわざるをえない。
 被告らは、本件著作物(一)及び(二)も被告絵画(一)及び(二)も共に現存する合掌造りの建物を描いたものであって、類似点があるのは当然であ(る)旨主張する。
 
しかし、本件著作物(一)及び(二)と被告絵画(一)及び(二)との対象物を見る角度、構図から、写生の時期が違えば変化しているはずの細部に至るまでの類似は、別人がたまたま同一の風景を描く場合に一般に予想される類似性をはるかに超えるものであると認められ、… 被告らの右主張は採用することができない。











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