著作権重要判例要旨[トップに戻る]







著作権と消滅時効
「早大名誉教授エスキース事件」
平成130918日東京高等裁判所(平成12()4816 

【コメント】「エスキース」とは、「建築家が建築物を設計するに当たり、その構想をフリーハンドで描いたスケッチ」を意味します。

[参考:民法167条(債権等の消滅時効)2項]

債権又は所有権以外の財産権は、二十年間行使しないときは、消滅する。 


 本件エスキースの著作権の時効消滅について
 控訴人は,Dは,昭和424月,著作権を外形的に表象する本件エスキースの原画の占有をEに移転させて以来,一度として著作権について権利行使することなく20年を経過した昭和625月に死亡し,その後,相続人である被控訴人らも,権利行使をしていないとし,時効消滅の主張をする。
 
著作権法17条は,財産権である著作権として21条ないし28条に規定する権利を享有すると定め,同法21条ないし28条において,著作者がその著作物を複製する権利を専有すること(複製権),著作者がその著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有すること(翻案権)などを定めている。そして,同法512項は,著作権は、原則として,著作者の死後50年を経過するまでの間存続すると定めている。そして,ここに「専有」とは,物権的な排他的支配権を意味するものと解することができ,その内容としては,自らこれを利用し他人には利用させないことも,自ら利用しつつ他人にも利用させることも,自らはこれを利用しないで,他人に利用させることも,自らもこれを利用せず他人にも利用させないことも,すべて当然に含んでいるものというべきである。
 そうすると,著作権は,その性質上,当該著作物を利用することもせず,他人に対して権利行使をしていないとしても,それによって消滅時効が進行するというものではなく,かつ,消滅時効とは関係なく,法定の保護期間の満了をもって権利が消滅することになると解するのが相当である。











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