著作権重要判例要旨[トップに戻る]







利用許諾契約の解釈(3)-契約の解除が問題となった事例-
「『KEITH HARING』ライセンス契約解除事件」平成190405日知的財産高等裁判所(平成18()10036 

【コメント】本件においては、「控訴人」(衣料用繊維製品等の販売等を目的とする株式会社)と「被控訴人ファーストリテイリング」との間で締結された「本件サブライセンス契約」(キース・へリングの著作物について、控訴人が被控訴人ファーストリテイリングに対し、その使用等をすることの再許諾をする契約)の解除の意思表示の有効性が争点となりました。

 本件サブライセンス契約には、解除に関し、次のような条項が規定されていました。

 『第17(契約の解除)
 次の各号に該当する場合,乙(被控訴人ファーストリテイリング)は甲(控訴人)に対し債務を直ちに支払わなければならない。又,甲は催告をしないで,或いは,自己の債務を提供しないで本契約を解除することができる。
 1.乙が本契約上の支払債務その他一切の債務につき履行を怠ったとき。
 
(中略)
 
4乙が本契約の各条項の一つにでも違反したとき
 
5.乙が甲の信用や利益を害したとき。』 


 確かに,本件サブライセンス契約5条は,その販売地域について「本商品の販売地域は日本国内のみに限定する。…」とのみ規定し,広告については文言として規定していない。しかし,広告宣伝は販売行為に密接に関連し,これと有機的一体性を有する行為と位置づけられるものであって,原判決も説示するとおり,本件サブライセンス契約5条は,個別商品についての広告か企業イメージの広告かを問わず,宣伝広告の実施地域を日本国内のみに限定する趣旨を含んでいるものと解するのが相当であるから,…の使用は本件サブライセンス契約5条に違反するというべきである。
 
ただし,上記に説示したとおり,継続的取引契約である本件サブライセンス契約の解除の可否の判断に当たっては,契約違反に該当する行為があったことが直ちに解除原因になると認められるものとはいえず,違反に至った経緯や違反の程度を踏まえて実質的に判断すべきであるから,以下,被控訴人ファーストリテイリングの上記各行為が継続的取引契約である本件サブライセンス契約の解除原因に当たるほどの行為といえるかどうかを検討することとする。











相談してみる

ホームに戻る