著作権重要判例要旨[トップに戻る]







「編集権」・「編集構成権」なるものが認められるか
「書籍『アニメ昔ばなしシリーズ』・『名作アニメ絵本シリーズ』出版事件」
平成121130日東京地方裁判所(平成12()944/平成130829日東京高等裁判所(平成13()147 

【原審】

 
「編集権、編集構成権」の侵害について
 
著作権の対象となる著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したものあって、文芸、美術又は音楽の範囲に属する」ものをいうところ(著作権法211号)、原告が「編集権、編集構成権」の対象として主張する本の版型、ページ数、タイトル名などは、いずれも思想等の表現ではなく、創作に係る要素もないから、著作物性は認められない。したがって、右の点をもって著作権侵害をいう原告の主張は、それ自体失当である。

【控訴審】

 
著作権の対象となる著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」(著作権法211号)ところ、控訴人が編集権及び編集構成権の具体的内容として主張するもののうち、特殊小型変形版の大きさ及びソフトカバーの表紙仕上げを採用し、右頁に物語を配し、これに相応する絵を左頁に配し、右頁の右下方に小さなカットを挿入し、活字配列を左右9行を基本とし、表紙に各物語のシンボルとなる絵を描き、最上段に「名作アニメ絵本シリーズ」又は「アニメ昔ばなしシリーズ」を配し、右側にタイトル番号を付し、裏表紙に出版するシリーズ本の内訳一覧広告を掲載するなどの構成を採用したという点については、これらの構成自体、いずれも思想等の表現ではなく創作に係る要素もないから、著作物とは認められず、素材の選択又は配列によって創作性を有する場合に編集著作物(同法121項)として著作物性が認められるかどうかが問題となるにすぎない。また、控訴人が編集権及び編集構成権の具体的内容として主張するもののうち、物語内容、絵等に独自の翻案をした点は、新たに付加された部分に創作性がある場合に二次的著作物(同法2111号)として保護される範囲が問題とされる。このように、著作権法は、翻案に創作性がある場合は二次的著作権により、素材の選択又は配列によって創作性を有する場合は編集著作権により、それぞれ著作物として保護を図ることを予定しており、同法上明記されたこれらの権利とは別個に、控訴人の主張する編集権及び編集構成権という法令上の規定を欠く権利を解釈上認めるべき法的根拠はない











相談してみる

ホームに戻る