著作権重要判例要旨[トップに戻る]







複製における同一性(4)-一部分の複製-
「‘角川mini文庫’シンボルマーク事件」平成120928日東京地方裁判所(平成11()13459 

【コメント】本件は、グラフィックデザイナーである原告が、被告出版社に対して、原告の創作に係る、羽毛が空中に舞う様子を描いた図画(「本件著作物」)について、被告が無断でその一部を切り離して複製利用したとして、著作権(複製権)侵害を理由とする損害賠償等を求めた事案です。本件で、被告は、本件著作物のうちその上部の羽根を描いた部分(「本件著作物羽根部分」)を切り離して、複製縮小し、所定の文字と共に一定の枠内に配してシンボルマーク(「被告マーク」)を作成し、これを被告発行のミニ文庫シリーズの表紙に付して使用するなどの行為をしていました。 

 前記事実関係によれば、本件著作物は、やわらかな羽毛が空中に舞う様子を数枚の羽根相互の間隔とトーンによって表現したものであり、その各羽根を極めて繊細なタッチの線と微妙なトーンによって表現したという点に特徴があるということができる。被告マークは、本件著作物の一部である本件著作物羽根部分をスキャニングするという制作過程を経て作成されたものであるが、被告マークにおいて表示されている羽根は、いずれも、やわらかな羽毛が空中に舞う様子を極めて繊細なタッチの線と微妙なトーンによって表現しているものであって、本件著作物の表現上の特徴を備え、これを見る者をして本件著作物を覚知させるに足りるものというべきである。
 (略)
 
したがって、被告は、本件著作物の一部を取り出してこれを文字等と組み合わせて被告マークを作成し、これを使用したことにより、本件著作物の著作権(複製権)を侵害するとともに、これを一部改変したものとして、原告の著作者人格権(同一性保持権)を侵害したものというべきである。











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