著作権重要判例要旨[トップに戻る]







無断翻訳を同一性保持権侵害と認定した事例
「モデル小説
『XO醤男と杏仁女』・詩の翻訳引用事件」平成160531日東京地方裁判所(平成14()26832 

 翻訳による表現の改変について
 
前記認定のとおり,被告は,著作者であるAの許諾を得ることなく,本件詩を翻訳したものである。しかも,本件詩の訳文のうち,少なくとも,以下の箇所は,客観的にみて誤訳であるか,又は翻訳すべき語を翻訳していないものであるか,若しくは意訳の範囲を超えているものであって,これらはいずれも意に反する改変といわざるを得ないから,本件詩についてAが有していた同一性保持権を侵害するものである。
 
(略)
 
被告らは,上記改変はいずれも著作権法2024号の「やむを得ないと認められる改変」に当たると主張する。
 
しかしながら,上記に述べたとおり,同項4号にいう「やむを得ないと認められる改変」に該当するというためには,著作物の性質,利用の目的及び態様に照らし,当該著作物の改変につき,同項1号ないし3号に掲げられた例外的場合と同程度の必要性が存在することを要するものと解されるところ,誤訳や翻訳すべきものを翻訳しないことがやむを得ないということができないのは明らかであるし,その余の上記改変も,いずれも翻訳として許される意訳の範囲を超えたものであって,被告小説において本件詩に改変を加えるにつき,上記のような必要性が存在すると認めることはできない。
 
よって,著作権法2024号が定める「やむを得ないと認められる改変」に該当するということはできない。











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