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第三者作成に係る同一性保持権侵害複製物をそのまま自らのホームページに掲載した行為を同一性保持権侵害と認定した事例
「人物写真ホームページ掲載事件」平成190412日東京地方裁判所(平成18()15024 

 被告は,第三者によって既に作成されていた被告写真をそのまま被告ホームページに貼り付けたと主張する。
 被告写真は,上記認定のとおり,本件写真と比べると,写真の鮮明度がやや低い。一方,証拠によれば,原告やCを批判する様々な雑誌,機関誌,ホームページ等において,たびたびやや不鮮明な態様で本件写真の複製物と思料されるものが掲載されていることが認められる。これらの事実と証拠及び弁論の全趣旨を総合すれば,被告がこれらのやや不鮮明な複製物から被告写真をコピーし,そのまま被告ホームページに掲載したと解するのが合理的であり,被告は,インターネット上のホームページ「自由の砦」に掲載されていた被告写真をコピーして被告ホームページに貼り付けたものと認めるのが相当である。原告は,被告が,本件写真を改変して被告写真を作製した旨主張するが,そのような事実を認めるに足りる証拠はない。
 
前記認定のとおり,被告は,何人かが本件写真を白黒にし,上下左右の一部を切除して作成された被告写真をそのまま複製したものである。しかし,著作物を一部改変して作成された同一性保持権を侵害する複製物をそのまま複製し,本件のように,自らのホームページに掲載する行為も,客観的には,著作物の改変行為であり,著作権法201項の同一性保持権侵害行為に当たるというべきである。この場合,複製者が,当該複製対象について,他人の著作物を改変して作成されたものであることを認識していたかどうかについては,同一性保持権侵害行為についての故意又は過失の有無の問題として検討されるべきことである。
 被告写真は,前記認定のとおり,本件写真のうち,Cの膝から下の部分及び上下左右の背景部分の一部を切除し,白黒で複製したものであるから,本件写真を改変して作成されたものであり,これをそのまま複製した被告の行為は,原告が有する同一性保持権を侵害する行為に当たるというべきである。
 
(略)
 
上記認定事実によれば,「自由の砦」に掲載された被告写真は,Cが自らの意思に基づいて積極的に撮影を許した写真を,Cないし原告に批判的な者がこれを無断でコピーして用いていることが一見して明らかである。
 
そして,このような使用形態においては,元の写真を一部切除したりするなどの何らかの改変が加えられることはままあることであり,実際,本件写真は,平成2年から平成13年にかけて,改変を加えられた様々な態様で用いられており,被告もこのことを認識し得たはずである。それにもかかわらず,被告は,「自由の砦」に掲載された被告写真が,元の著作物に改変が加えられているものか否かを確認することなく漫然と被告ホームページにコピーしてこれを掲載したのであるから,本件写真の同一性保持権侵害について,少なくとも過失があるものと認められる。











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