著作権重要判例要旨[トップに戻る]







イラストの改変行為を同一性保持権侵害と認定した事例(2)
「挿絵イラスト無断複製改変事件」平成191116日東京地方裁判所(平成19()4822 

 [イラストの色について]
 
前記で認定した事実によれば,原告は,被告スタジオダンクから,すべてのイラストにつき,1点のイラストに用いる色を2色とするとの指示の下に発注を受け,同指示に従い,別紙著作物目録に記載のとおり,本件各イラストのそれぞれにつき,2色を用いて着色をした上,これを被告スタジオダンクに交付したところ,同被告は,本件各イラストの複製に,原画には用いられていなかった青,緑,茶,黄等,複数の色を着色した上,本件書籍に掲載したものであり,これにより,本件各表紙イラストが与える印象は原画とは異なるものとなっていることは明らかである。
 
一般に,イラストは,線描のみならず,その色調の違いのみによっても見る者に異なる印象を与えるから,色の選択は,基本的には,イラストレーターが自己の作風を表現するものとして,イラストレーターの人格的な利益に関わるというべきであり,本件各イラストの色を変更した被告スタジオダンクの行為は,著作者である原告の意に反する改変に当たり,本件各イラストについての原告の同一性保持権を侵害したというべきである。本件全証拠によっても,上記の改変につき,原告の明示ないし黙示の同意があったとも,やむを得ない改変に当たる事情があったとも認めることはできない。
 (略)
 [イラストの大きさについて]
 
イラストの大きさ,特に,他のイラストとの関係で認識される相対的な大きさについても,色調と同様,その違いによって見る者に異なる印象を与えるから,その選択は,イラストレーターが自己の作風を表現するものとして,イラストレーターの人格的な利益に関わるものであるということができる。
 
前記で認定した事実によれば,原告は,本件イラスト5の@ないしBにおいて,リスのキャラクターを,可愛さ,幼さという性格を持たせることを意図して,他のキャラクターより小さく描いたところ,被告スタジオダンクは,本件イラスト5のAのリスのキャラクターにつき,本件書籍の表紙に他のキャラクターと同じ大きさで描いたものであり,このような改変は,著作者である原告の意に反するものであるということができるから,原告の本件イラスト5のAの同一性保持権を侵害したというべきである。本件全証拠によっても,上記の改変につき,原告の明示ないし黙示の同意があったとも,やむを得ない改変に当たる事情があったとも認めることはできない。











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