著作権重要判例要旨[トップに戻る]







編集著作権の侵害性判断(4)
「‘
手あそびうた’振付けDVD付き書籍出版事件」平成210828日東京地方裁判所(平成20()4692 

 …によれば,原告書籍本体に掲載された手あそび歌の曲名及び振付けは,原告の編集部所属の従業員が,童歌,童謡から最近の曲まで多種のものがある手あそび歌の中から,幼稚園の教諭に対するアンケートの集計結果を踏まえて,定番の曲を外さず,幼稚園で人気が高く,よく遊ばれているものを選択することを基本としながらも,人気が高くなくても手あそび歌のジャンル(「指あそび」,「手あそび」,「身体あそび」,英語の歌など)の多様性にも配慮したり,定番の曲でもできるだけ他社書籍とは異なるバージョンの歌詞や振付けを選択するなどして,他の書籍との差別化を図る方針とし,また,原告DVDの収録曲については,制作費とDVDの容量の都合から,原告書籍本体の掲載曲のうち,幼稚園の教諭の意見を取り入れて子供たちがより喜ぶ人気曲を選択し,その中でジャンルが偏らないようにバランスを重視するなどの方針とし,上記各方針に基づいて,原告書籍本体の掲載曲(63曲)及び原告DVDの収録曲(29曲)の曲名及び振付けが選択されたことが認められるから,上記曲名及び振付けの選択には,原告の編集部所属の従業員の思想又は感情が創作的に表現されていることは明らかである。
 
したがって,原告書籍本体及び原告DVDは,素材である手あそび歌の曲名及び振付けの選択において創作性を有する編集著作物に当たるものと認められる。
 
(略)
 
このことは,上記曲名及び振付けの選択の創作的表現は,前記認定の編集方針に基づいて選択された結果としての原告書籍本体における掲載曲全曲の曲名及び振付けの選択,原告DVDにおける収録曲全曲の曲名及び振付けの選択において顕れていることを意味するものである。
 
そうすると,原告書籍本体の掲載曲(全63曲)の一部である35曲と同一の曲名の曲が被告書籍本体に掲載され,原告DVDの収録曲(全29曲)の一部である21曲と同一の曲名の曲が被告DVDに収録されているからといって,原告書籍本体及び原告DVDにおける上記曲名の選択の創作的表現が被告書籍本体及び被告DVDに再製されていると直ちに認めることはできない
 
(略)
 しかるに,本件において,原告は,原告書籍本体及び被告書籍本体の掲載曲の重複曲の選択,原告DVD及び被告DVDの収録曲との重複曲の選択において創作性を有することの主張立証を行うことなく,単に一部の重複の事実をもって原告書籍本体及び原告DVDにおける手あそび歌の曲名の選択の創作的表現が有形的に再製されていると主張するにとどまっている。
 
したがって,被告書籍本体及び被告DVDにおいて原告書籍本体及び原告DVDにおける手あそび歌の曲名の選択の創作的表現が有形的に再製されているものと認めることができないから,当該曲名に対応する各曲の振付けが同一であるかどうかを検討するまでもなく,被告書籍本体及び被告DVDにおいて原告書籍本体及び原告DVDにおける素材(手あそび歌の曲名及び振付け)の選択の創作的表現が有形的に再製されているものと認めることはできない。











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