著作権重要判例要旨[トップに戻る]







「送信可能化」の意義(2)
「雑誌『サライ』掲載写真デジタル化事件」
平成190530日東京地方裁判所(平成17()24929 

【コメント】本件は、フリーランスの写真家である原告が、被告からの依頼に基づき、被告発行の雑誌「サライ」のために、設定されたテーマに従って撮影した写真のポジフィルムを被告に交付していたところ(原告が被告に交付したポジフィルムを「本件交付ポジフィルム」という。)、被告が、本件交付ポジフィルムの写真の一部をデジタルデータ化してサーバのハードディスクに蓄積保存したことにより、原告の当該写真について有する著作権(主位的に送信可能化権、予備的に複製権)を侵害したなどと主張して損害賠償金等の支払を求めた事案です。

 
本件において、被告は、「サライ」の所定の号について、そこに掲載された特集記事の写真をデジタルデータ化しており、本件交付ポジフィルム写真のうち、当該号の掲載写真について、デジタルデータ化(フィルム・スキャナーを用いたデジタル化)を行いました(以下、ポジフィルムに写された写真をデジタルデータ化したものを「本件デジタルデータ」といいます。)。そして、被告は、本件デジタルデータについて、サーバに蓄積保存しましたが、同サーバに保存する過程において、本件デジタルデータを、いったんCD-ROMに保存しました。また、同サーバは、「SVD」(注:被告は、被告が発行する雑誌等に掲載された写真等のデータを保存するデータベースシステムとして、「SVD(小学館ビジュアル・データベースシステム)を運営している。の準備作業を行っていた被告の社員である担当者4人のコンピュータ端末との関係においてサーバ機能を有するにすぎず、被告の一般社員のコンピュータ端末から閲覧することはできませんでした。 


 原告は,主位的に,上記において認定した,本件デジタルデータをサーバに保存した被告の行為が,本件デジタルデータを自動公衆送信し得るようにするものであり,本件交付ポジフィルム写真のうちの対象となったものの送信可能化権を侵害する旨主張するので,以下,検討する。
 
本件デジタルデータが保存されたサーバは,SVDの準備作業を行っていた,被告の担当者4人のコンピュータ端末との関係においてサーバ機能を有するにすぎず,他の被告社員の個々のコンピュータ端末から閲覧することはできなかったのであって,上記担当者4人は,特定かつ少数であり,特定かつ多数の者を含む「公衆」(著作権法25項)には該当しないから,他の要件について検討するまでもなく,上記行為は,送信可能化には当たらず,これによる送信可能化権の侵害は認められない











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