著作権重要判例要旨[トップに戻る]







増刷の通知義務規定(822項)の類推適用を否定した事例
「『とんぼの本』日本民家の写真と紀行文出版許諾契約事件」平成131130日東京地方裁判所(平成12()15312 

 増刷の際の通知義務違反による著作者人格権侵害の有無について
 
本件出版許諾契約は,前記で判示したとおり,出版権を設定する合意を含んでいないと認められる。
 
本件出版許諾契約が出版権設定契約でない以上,原告には,出版権設定契約の成立を前提とした著作権法82条所定の諸権利(修正増減する権利,増刷の際に通知を受ける権利)は当然には認められない。したがって,同法82条の適用があることを前提とする原告の主張は失当である。
 
なお,…によれば,第2刷の増刷については,平成109月下旬ころ,被告日本アート・センターは,原告に対し第2刷を知らせる葉書を送付していること,第3刷の増刷については,平成111月中旬ころ,Cが原告に対し,第3刷の増刷が決定したことを通知し,本件書籍の執筆者略歴欄に「MINKA 民家」(河出書房新社)を追加したことが認められ,このような経緯に照らすならば,仮に増刷の際に通知すべき何らかの義務があったとしても,被告らは,その点の義務を尽くしているということができる。被告らの行為には,原告の著作者人格権を侵害すると解すべき点は存在しないと解すべきである。











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