著作権重要判例要旨[トップに戻る]







プログラムの翻案性が問題となった事例
「織布情報プログラム無断改変事件」
平成131011日大阪地方裁判所(平成9()12402 

 前記によれば、LECS(管理人注:被告の提携会社の作成に係る織布情報プログラム)は、本件プログラム(管理人注:原告の作成に係る織布情報プログラム)と比べて、ファイルにして79個、コードにして約54000行大きいプログラムであり、本件プログラムにない新規機能を備えていることが推認される。
 
しかし、LECSには、本件プログラムと実質的命令だけでなくコメント行までがほとんど一致するファイルが複数個存在し、本件プログラムのソースコードの少なくとも62%(46,000/74,000=0.62)がLECSに使用されていることが認められる。また、原告による比較評価の中には、LECSには、本件プログラムと内容がほぼ一致しており、かつLECSのシステムでは実行されないプログラム及び関数が存在するという箇所があるが、被告はこの点について争っていない。
 
加えて、本件プログラムとLECSは、共にAという同一の人物が開発を担当しており、そのA自身が、ソフトプロにおいて被告から提供された本件プログラムのソースプログラムを参考にしてLECSを作成したことを認めているのであり、LECSのパンフレットには、「従来の豊富なTLS資産を継承しながら将来を見つめた開発コンセプトが凝縮された」との記載があり、本件プログラムのパンフレットに掲載されたユーザー・インターフェイス(ディスプレイ表示)と同じものが掲載されているなど、販売先に対し、LECSが本件プログラムのバージョンアップ品との印象を与える手法が採られているのである。
 
以上の事実を総合すると、LECSは、本件プログラムのうちの創作性のある部分を含む一部を複製してこれに改変を加えたものであり、本件プログラムとは同一の範囲を脱したものであるが、ソフトウエアとして本件プログラムと全く異なった程度には改変されたものとはいえず、表現上の本質的な特徴の同一性が維持され、実質的に類似するものということができ、全体として本件プログラムを翻案したものに当たると認めるのが相当である。
 この点について、被告は、ソフトウエアの実質的類似性は、プログラムの構造、手順、構成を明らかにし、あるアイデア若しくは機能を達成するためには必然的に付随的なもので表現とアイデアが一致している部分、外部的条件部分、及び公有に属する部分を排除した上で比較検討されなければならないと主張する。
 
しかしながら、前記で認定したとおり、本件プログラムのうちLECSに流用されたコードの数量が本件プログラムの約62%に当たる約46000行に及び、LECSも、そのソースコード約1280000行のうち、約46%に当たる約59000行が本件プログラムとほぼ同じ内容を有しているという数量的要素を考慮すれば、本件プログラムのうちでLECSに使用された部分が、単に、他のプログラムやハードウエア等の外部的要因に規制される結果本来的に類似せざるを得ない部分や、一般的な処理方法など著作権法上の保護が及ばない部分(著作権法103項参照)のように、プログラムの創作性のない部分に止まるものとみることは合理的でない。被告の主張は採用できない。











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