著作権重要判例要旨[トップに戻る]







一般不法行為の成否-容認事例B-
自動車整備業用システム自動車情報データベース事件(中間判決)平成130525日東京地方裁判所(平成8()10047等) 

【コメント】本件では、原告が、「被告は,本件データベース(管理人注:日本国内において実在する四輪自動車(「実在の自動車」)に関する一定の情報を収録したデータベースのこと)を複製しているところ,この複製は,本件データベースの著作権を侵害するか又は不法行為を構成する。」と主張しましたが、「本件データベース」の著作物性に関しては、「本件データベースは,データベースの著作物として創作性を有するとは認められない。」と認定しました。 

 民法709条にいう不法行為の成立要件としての権利侵害は,必ずしも厳密な法律上の具体的権利の侵害であることを要せず,法的保護に値する利益の侵害をもって足りるというべきである。そして,人が費用や労力をかけて情報を収集,整理することで,データベースを作成し,そのデータベースを製造販売することで営業活動を行っている場合において,そのデータベースのデータを複製して作成したデータベースを,その者の販売地域と競合する地域において販売する行為は,公正かつ自由な競争原理によって成り立つ取引社会において,著しく不公正な手段を用いて他人の法的保護に値する営業活動上の利益を侵害するものとして,不法行為を構成する場合があるというべきである。
 
これを本件についてみると,上記認定のとおり,本件データベースは,自動車整備業を営む者に対し,実在の自動車に関する情報を提供する目的で,官報,年製別型式早見表,車検証等の種々の資料をもとに,原告が実在の自動車と判断した自動車のデータを収録したものであるが,…によると,このような実在の自動車のデータの収集及び管理には多大な費用や労力を要し,原告は,本件データベースの開発に5億円以上,維持管理に年間4000万円もの費用を支出していることが認められる。
 
また,…よると,原告と被告は,共に自動車整備業用システムを開発し,これを全国的に販売していたことが認められるから,自動車整備業用システムの販売につき競業関係にあり,…によると,実際に,富士モータースにおいて,従前は原告システムを導入していたものの,その後,被告システムに変更したことが認められる。
 
また,被告は,上記認定のとおり,本件データベースの相当多数のデータをそのまま複製し,これを被告の車両データベースに組み込み,顧客に販売していたものである。
 
以上の事実によると,被告が本件データベースのデータを被告データベースに組み込んだ上,販売した行為は,取引における公正かつ自由な競争として許される範囲を甚だしく逸脱し,法的保護に値する原告の営業活動を侵害するものとして不法行為を構成するというべきである。
 
したがって,被告は,原告に対し,上記不法行為により原告が被った損害を賠償する責任を免れない。











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