著作権重要判例要旨[トップに戻る]







一般不法行為の成否-否認事例E-
「日めくりカレンダー用花のデジタル写真集事件」
平成200623日知的財産高等裁判所(平成20()10008 

【コメント】一審原告である控訴人は、花の写真365枚につき、11枚で1年分とする日めくりカレンダー用デジタル写真集(花の写真の画像データをファイルにより保存したもの。「本件写真集」)を作成し、その著作権等を一審被告である被控訴人に譲渡し、その対価の支払を受けましたが、被控訴人はこれを携帯電話待受画面用の画像として週に1枚のみを配信しただけでした。本件は、控訴人が、被控訴人に対し、被控訴人において各配信日に対応すべき写真を用いなかったことが編集著作物である本件写真集の同一性保持権等を侵害するとして、慰謝料等の支払を求めた事案です。 

 控訴人は,仮に本件写真集が編集著作物とは認められないとしても,控訴人は,納品した本件写真集(日めくりカレンダー)の写真を控訴人の配列した順序に従って日々花の写真を変えて使用してもらう期待権を有していたもので,被控訴人が控訴人より納品を受けた日めくりカレンダーの花の写真について,控訴人が行った花の写真の配列を無視して配信したことは,控訴人の期待権を侵害すると主張する。
 
しかし,上記で認定した事実によれば,平成15120日の控訴人とAとの面談の際,本件サイトの更新がその当時週1回であったことは既に控訴人も認識していたところ,控訴人宛ての「注文書」にも「備考:@画像に関する権利は富士通パレックスを通し,富士通株式会社へ譲渡するものとします。A納入物件は富士通株式会社が使用するにあたり何ら支障の無いよう,第三者の著作権その他何らかの権利が含まれていないことを保証するものであること。B富士通パレックス株式会社,富士通株式会社は,当該著作権等の紛争から逃れるものとします。」との記載があるのみで,本件写真集の花の画像の具体的な配信方法の記載はない。
 
このように,本件写真集に関する著作権譲渡契約に関し,控訴人が配列した順序に従い毎日花の写真を変えて被控訴人が配信するとの点について,その契約に関連する内容として上記注文書等に記載されていないことはもちろん,上記で認定した事実経過に照らせば,控訴人においてそのような期待を抱くことが正当と認められるような事情も存しないというべきである。仮に控訴人が被控訴人がそのような方法で使用(配信)することについて事実上の期待を内心において抱いたとしても,これを「期待権」ないし何らかの法的保護に値すべき利益と認めることはできない。そうすると,控訴人の期待権侵害を理由とする請求も理由がないというべきである。











相談してみる

ホームに戻る