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著作権移転登録(4)
CD-ROM譲渡担保契約事件」平成150317日東京地方裁判所(平成14()21540 

 情報アカデミーが本件プログラムを開発し,その著作権を取得したこと,アカウントが情報アカデミーから,本件プログラムに関する一切の権利を譲り受けたこと,アカウントがその後破産宣告を受けたこと,原告が同破産財団の破産管財人に選任されたことは,当事者間に争いがない。したがって,アカウントは,本件プログラムに関する著作権を取得した。
 
被告は,アカウントとの間で,データを化体した,有体動産であるCD-ROMについて,担保権の設定を受ける旨の本件譲渡担保契約を締結し,その後,本件担保権の実行により,上記CD-ROMに関する一切の権利を譲り受けたと主張する。
 
被告の主張の趣旨は,裁判所の釈明によっても,被告がアカウントから譲り受けた目的物が「有体物としてのCD-ROM」であるということを前提とするものか,又は「本件プログラムの著作権」であるということを前提とするものか,必ずしも明確でない。
 
この点につき,…に照らすならば,被告の主張の趣旨は,被告が譲り受けた目的物は,「有体動産としてのCD-ROM」であるということを前提とするものと理解するのが相当である。
 
そこで,被告の主張の趣旨を上記のように理解した上で判断する。そうすると,原告の本件各請求は,いずれも,本件プログラムについての著作権に基づく請求であるから,被告の主張は,そもそも,原告の請求に対する正当な抗弁とはなり得ない。被告の主張は,それ自体失当である。
 
次に,念のため,被告の主張の趣旨を「被告が譲り受けたとする目的物が,本件プログラムの著作権」であるということを前提とするものと理解した上で,被告の主張の当否を判断する。
 ところで,破産管財人は,破産者の一般承継人ではなく,破産債権者のために独立の地位を与えられた破産財団の管理機関として,民法第177条にいわゆる第三者に当たるものと解すべきである(昭和38730日最高裁第3小法廷判決参照)。したがって,仮に,本件譲渡担保契約に基づいてアカウントから被告へ著作権が譲渡されたとしても,被告は,アカウントが破産宣告を受ける前に,著作権譲渡についての対抗要件たるプログラム登録原簿への移転登録手続を経由していなければ,原告に対してその譲受けを対抗することはできない。一方,本件において,被告が本件プログラムの譲受けについてかかる登録手続を経由していないことは,弁論の全趣旨により明らかである。したがって,本件譲渡担保契約に基づいて本件プログラムについての著作権を取得した旨の被告の主張は,主張自体失当である。
 
なお,被告は,本件プログラムが格納されたCD-ROMの引渡しを受けたことによって,対抗要件を備えたものとも主張する。しかし,プログラムの著作物に係る著作権の移転は,プログラムについての著作権登録原簿へ登録しなければ,第三者に対抗することはできないものであるから(著作権法771号,781項),この点における被告の主張も理由がない。











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