著作権重要判例要旨[トップに戻る]







外国在住の被害者に対する慰謝料の算定
「モデル小説
『XO醤男と杏仁女』・詩の翻訳引用事件」平成161209日東京高等裁判所(平成16()3656 

 慰謝料は,被害者の被った精神的損害の賠償を本来的な目的・機能とするものであるが,ときには財産的損害賠償額を補完調整する機能をも有するものであり,その額の算定に当たっては,不法行為の態様,被害の内容,程度,不法行為後の経緯など事件に現れた諸般の事情を総合考慮して定められるべきものである。そして,被害者が外国で生活しており,その慰謝料を外国で費消することが予測される場合には,慰謝料額の算定に際し,その外国の所得水準や物価水準を考慮することも許されるというべきである。しかし,その外国の所得水準等が我が国におけるそれと著しく異なるような場合に,精神的苦痛の填補を目的とする慰謝料について,同一の不法行為,同一の被害でありながら,単に,被害者が外国で生活しているか,我が国で生活しているかという違いだけから,その額に極端な差が生じるということは,公平感や被害者感情に照らし相当とはいえないことなどを考えると,被害者が外国で生活しているからといって,その慰謝料額がその外国の所得水準等に当然に比例することになるというものではなく,その点は,上記諸般の事情の一つとして考慮されるにとどまるものというべきである。











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