著作権重要判例要旨[トップに戻る]







著作権移転登録(5)-「第三者」該当性を否定した事例-
「銑鉄運搬車両制御プログラム事件」平成210226日大阪地方裁判所(平成17()2641 

【コメント】本件は、被告スチールが使用する「本件装置」に「本件プログラム」の複製物が組み込まれているところ、原告は、「湯浅通信機」からプログラムの著作権を譲渡されるなどして本件プログラムの著作権を取得したとして、原告が、被告らに対し、本件プログラムの著作権が原告に帰属することの確認等を求めた事案です。 

 被告らは,本件プログラムの著作権について,湯浅通信機,原告,被告ら,JFE電制において,昭和612月ごろ,これを共有とする旨の黙示の合意をしたと主張するが,このような企業間の知的財産権の共有の合意は当然書面でされるものであるところ,契約書ないし合意書もなく,その他にも,そのような合意があったことを認めるに足りる証拠はない。よって,本件プログラムの著作権について,湯浅通信機,原告,被告ら,JFE電制で共有とする合意があったと認めることはできない。
 
前記認定のとおり,湯浅通信機,原告,被告ら,JFE電制において,本件プログラムの著作権を共有とする旨の合意があったことは認められないから,被告らは,湯浅通信機から本件プログラムの著作権の持分の譲渡を受けたということができず,原告が湯浅通信機から本件プログラムの著作権(全体)を譲渡されたことについて,二重譲渡の関係にはない。したがって,被告らは,著作権法77条の「第三者」に該当しない
 
被告らは,仮に,共有の合意がなかったとしても,原告から本件プログラムの著作権確認や使用料ないし不当利得返還を求められているので,登録の欠缺につき法律上の利害関係を有する「第三者」に該当すると主張する。
 
しかし,著作権の移転を登録しなければ対抗できない「第三者」(著作権法77条)とは,登録の欠缺を主張するにつき正当の利益を有する者であると解されており(大審院昭和7527日判決参照),単に著作権の帰属を争っていたり,著作物の複製物を使用しているだけの者は,これには当たらない。よって被告らの主張は失当である。
 
(略)
 
以上のとおり,本件プログラムは,著作物性があり,本件プログラムの著作権は,湯浅通信機の従業員であるP13が職務上著作したものとして湯浅通信機に帰属し,原告が湯浅通信機から譲渡されたものであるから,原告に帰属する。











相談してみる

ホームに戻る