著作権重要判例要旨[トップに戻る]







プログラムの著作物の侵害性が問題となった事例(2)
IC測定プログラム著作権侵害事件」平成121226日大阪地方裁判所(平成10()10259 

【コメント】本件で問題となった「本件プログラム」とは、原告製作にかかる「マイコンテストボックス」(三菱電機製のIC(集積回路)の性能を測定検査するためのソフトウエアを組み込んだハードウエアのこと)に組み込まれたプログラム(当該ソフトウェア)のことです。 

 プログラムとは、「電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合せたものとして表現したもの」(著作権法2110号の2)であり、著作物として保護されるためには創作性(著作権法211号)を必要とする。
 
…によれば、本件プログラムは、それぞれC言語により書かれた数百行の命令からなるプログラム4個と、アッセンブラー言語により書かれたプログラムとの組み合わせによって成立し、三菱電機が製造した1品種のICの測定を行う目的を有するものである。
 
(略)
 
上記事実によれば、本件プログラムは、プログラム中の命令の組み合わせ、モジュールの選択、通信方式、解決手段の選択等に創作性が認められる著作物であるということができる。
 
(略)
 上記認定事実によれば、被告プログラム(1)(4)は、いずれも原告プログラム(1)(4)と一致する命令文が多数含まれており、相違点のうちにも、原告プログラム(1)(4)の関数を複製した上、これに2個目のICに対応する「H2」等の変数を追加し、2個目のICの測定、計算を可能にする趣旨の変更が多数加えられていることが認められる。また、被告プログラム中には、原告プログラム中の不必要となった命令文をコメントとして残したものが、そのまま多数記載されていることも認められる。
 
(略)
 
これらの事実を総合すれば、被告プログラム(1)(4)は、原告プログラム(1)(4)2個のICを同時に測定できるように、ハードウエアをつなぐ部分に改変を加えたものであり、原告プログラム(1)(4)と同一の範囲にあるプログラムとはいえないが、IC測定の順序、処理内容は同一であり、原告プログラム(1)(4)の中の命令文と同一又は微細な変更を加えた命令文が多用されているものであるから、ソフトウエアとして、原告プログラム(1)(4)と全く異なった程度には改変がなされていないものである。したがって、被告プログラム(1)(4)は、原告プログラムの一部を複製した上、全体としてこれを翻案したものに当たるというべきであり、他に上記認定を覆すに足りる証拠はない。
 
以上によれば、被告は、原告プログラム(1)(4)、すなわち本件プログラム(4)(6)及び(7)を翻案したものと認められる。











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