著作権重要判例要旨[トップに戻る]







プログラムの著作物の侵害性が問題となった事例(3)
「書類作成支援ソフト『オートくん』事件」平成140725日大阪地方裁判所(平成12()2452 

 …によれば、本件ソフトウエアは、マイクロソフト社製汎用表計算ソフト「エクセル」のマクロ機能を使用してビジュアルベーシック言語により書かれたプログラムであり、高知県に提出される土木関係書類書式が入力された帳票部分と、一定のまとまりのあるプログラム言語の組み合わせによりコンピュータへの一連の命令を表現したプログラム部分から構成されていることが認められる。
 
このうち、帳票部分は、高知県の土木関係書式をエクセルのワークシートに入力したものであり、誰が作成しても同一又は類似の記載にならざるを得ないから、作成者の何らかの個性が表現されたものとはいえず、帳票部分のみで独自に著作物とすることはできない。…
 
しかし、本件ソフトウエアは、プログラム中の命令の組み合わせについては、作成者であるBの個性が現れているものと認められ、これら一連の命令部分と帳票部分を組み合わせることにより、一度の入力により複数の会社及び工事データを管理するなど原告の意図する機能を実現するものといえる。そうすると、本件ソフトウエアは、全体としては、プログラム中の命令の組み合わせ、モジュールの選択、解決手段の選択等のプログラムの「表現」に創作性が認められるから、著作物に当たると認めるのが相当である。
 
(略)
 
以上によれば、被告ソフトウエアは、本件ソフトウエアとは構造が著しく異なり、本件ソフトウエアに設けられている機能の多くを有しておらず、プログラムの具体的な表現といえるコードにも類似する部分がないから、構造、機能、表現のいずれについてもプログラムとしての同一性があるとは認められない。したがって、被告ソフトウエアは、本件ソフトウエアを複製又は翻案したものとはいえない。
 
原告は、被告が本件ソフトウエアをデッドコピーしたことの徴表として、被告ソフトウエアの帳票部分の特徴を指摘するが、本件ソフトウエアに含まれる帳票部分に著作物性を認められないことは前記のとおりであるから、帳票部分において被告ソフトウエアが本件ソフトウエアに酷似し、前者が後者をデッドコピーした徴表があるとしても、被告ソフトウエアが本件ソフトウエアを複製又は翻案したことを肯定する根拠とはならない











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